CASE721落ち着きのある家
土間のある平屋住宅を検討しているものの、土間を設置するメリットや使い勝手がイメージできない方もいるでしょう。昔の住宅には当たり前のように土間が設置されていて、台所や作業場として利用されていました。近年、土間のある住宅が注目され、収納やリビングなど広く活用されています。
この記事では、土間のある平屋住宅の建築を検討している方に向けて、平屋で土間を設置するとどのようなメリットやデメリットがあるのかを分かりやすく解説します。平屋の活用方法や土間を設置した建築実例も紹介しているので、最後までお読みください。
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目次
土間とは?
CASE717光土間の家
土間とは、床板がなく土足のままで入れる空間のことです。昔の日本家屋には必ず土間があり、シンクや調理釜、作業台などが設置されており、炊事や農具の保管などのスペースとして利用されていました。
最近は土間のある住宅が再び注目され、さまざまな用途で活用されています。例えば、玄関に土間を設置することで、アウトドア用品や自転車などを収納するスペースとして利用できます。また、リビングに隣接させればアウトリビングとして広々としたリビング空間を作り出すことも可能です。
土間は2階建てや3階建てなどさまざまな住宅におすすめですが、その中でもワンフロアで居住スペースが完結する平屋との相性がよいとされています。
平屋に設置できる土間の間取り
土間は平屋との相性がよく、間取りを工夫できます。平屋に土間を設置すると、屋外で使用する物を収納できたりテラスとして活用したりできます。さまざまな間取りのアイデアがあるので、さっそく見ていきましょう。
土間収納
平屋に土間収納を作りたい場合は、玄関に土間スペースを設置しましょう。
玄関に土間を作ると、一般的な玄関よりも広いスペースを確保しやすくなります。収納したい物の大きさや量に合わせてスペースを広くすることで、自転車やベビーカー、ゴルフ用品などのアウトドアグッズを収納できます。土間は土足のまま出入りできるため、アウターの着脱も簡単です。
土間リビング
土間リビングは、リビングの一角に土間を設置したリビングです。土間の床はタイルやモルタルなどの素材が採用され、土足だけでなく素足でも歩けるように工夫されています。土間リビングは、子どもやペットが遊ぶ空間にもなり、ほかにもお茶を楽しむ場やサンルームなど、活用方法は幅広いです。
通り土間
通り土間を設置した場合は、玄関から室内または庭まで土足での行き来が自由にできます。土足用の廊下をイメージすると分かりやすいでしょう。
通り土間を設置すると、靴を履いたまま玄関から室内へ移動できるため、買い物の荷物を運ぶ際に便利です。通り土間の広さや長さを工夫すれば生活動線がよりスムーズになるでしょう。
土間テラス
土間テラスは室内の一角にテラスを設置した空間を指します。土間テラスはインナーテラスと呼ばれており、第二のリビングとして活用することも可能です。
テラスは庭やバルコニーなどの屋外に置くのが一般的ですが、平屋に土間空間を設けることで、室内でもテラスを確保できます。テーブルや椅子を置いてカフェ空間を作れば、朝食やお茶なども楽しめます。
平屋で土間を設置するメリット
平屋に土間空間を作ると、屋外で使用する物を収納できたり悪天候でも趣味を楽しんだりできるメリットがあります。他にもさまざまなメリットがあるため、詳しく見ていきましょう。
屋外で使うものを収納できる
平屋に土間があれば、屋外で利用する自転車やベビーカー、スーツケース、キャンプ用品など、収納するスペースを室内で確保する必要がなく便利です。
特に、平屋はワンフロアにすべての居住空間を集結させるため、十分な収納スペースを作りにくいです。室内にアウトドアグッズを収納する場合、収納スペースや収納できずに室内が物でいっぱいになる恐れがあります。土間があれば収納スペースとして利用でき、室内が狭くなるのを防止できます。
さまざまな用途で活用できる
平屋に設けた土間は収納だけでなく、作業スペースや親しい人が集まる場所としてさまざまな用途で使用できます。例えば、土間に大容量の収納スペースを設ける場合は、ストック用の日用品や備蓄食などを保管するのも良いでしょう。
土間を作業スペースにすれば天候にかかわらず、DIYや趣味のマウンテンバイクのお手入れ・修理などの作業もしやすくなります。プランターや鉢を用いれば、土間でガーデニング・家庭菜園なども楽しめます。お気に入りの椅子やテーブルを置けばプライベートなカフェスペースを作ることも可能です。
悪天候でも気にせず使える
平屋に土間を設置するメリットは、天候を気にせずにさまざまな用途で利用できることです。
例えば、インナーガレージに土間を隣接させれば、雨の日でも車やバイクの手入れを行えます。広い作業スペースを確保できれば、雨が降ってきたときに材木や部品などを室内に運び入れる手間がないため、DIYの作業も捗るでしょう。
また、子どもは雨が降ると屋外で遊ぶのが難しくなりますが、土間があれば天気を気にせずに遊び続けられます。
掃除がしやすい
土間のメリットは掃除のしやすさです。土間の床はタイルやモルタル、コンクリートなどの素材が使用されているため、汚れた靴で土間を歩いてもホウキで簡単に汚れを取り除けます。土間はホウキで掃いたり水で流したりできるため、常に土間を清潔にしておけます。
土間に水を流して掃除をしたい場合は、防水性の高い素材を床に用いましょう。土間に掃除道具の保管場所を用意しておけば、汚れたときに素早く掃除ができます。
平屋で土間を設置するデメリット
平屋に土間を設置することでさまざまなメリットを得られる一方で、いくつかのデメリットも発生します。例えば、冬は足が冷えやすくなったり湿気対策が必要になったりすることが挙げられます。土間のある平屋を建てる場合は、デメリットを踏まえて間取りを工夫しましょう。
冬は底冷えしやすい
平屋に土間を設置するデメリットは、気温が低い日に足元から冷える可能性があることです。平屋は1階建てで土間は地面からの熱が伝わりやすく、冬は底冷えしやすくなります。特に、土間の出入り口の付近や土間リビングのある間取りにした場合は、寒くなる傾向があります。
土間は、悪天候でも作業やアウトドアグッズ・車・自転車などの手入れが可能なものの、足元から体を冷やす恐れがあるため暖房対策を行いましょう。
居室スペースを削られる
平屋に土間を作るデメリットは、居室に十分なスペースを取れなくなる可能性があることです。土間は室内に作るため、平屋全体の間取りを決める際に、居住スペースを削って土間スペースを確保する必要があります。居住スペースが削られると、各部屋が狭くなるのはもちろん、場合によっては居室の数を減らす必要性が出てきます。
平屋に土間を設置する場合は、居室スペースを減らしてでも土間を実現させることを優先するのかを考え、慎重に検討しましょう。
湿気対策が必要
土間は結露が発生しやすいため、湿気対策が必須です。特に、冬は外から入る冷たい空気と暖房設備で暖められた室内の空気によって、結露が発生しやすくなります。また、雨の日は土間スペースの湿度も高くなり、カビが繁殖しやすい環境になるため注意が必要です。
結露や湿気を対策するには、土間の壁に吸湿効果の高い壁材を使用したり、換気用の窓や換気扇を設置したりすることをおすすめします。
さまざまな土間の用途と活用方法
CASE772 大らかにツナガル
土間はさまざまな用途があり、間取りを工夫することで活用の幅がさらに広がります。土間を収納や趣味などのスペースとして使用する場合の活用方法を解説します。土間のある平屋の間取りを考える際に参考にしてみてください。
収納スペース
土間は収納スペースとして活用でき、居住スペースに物があふれるのを防ぐことができます。例えば、靴が多い人や家族が多い人は土間をシューズインクロークとして活用できます。土間をレインコートやアウターの収納場所にすれば、雨で濡れたレインコートや花粉が付着したコートを室内に持ち込む必要がなく、収納場所にも困りません。
また、使用頻度が少ない物やキャリーケース、車のケア用品、子どもの部活道具など、屋外で使用する物の保管にも最適です。
趣味や作業スペース
土間は趣味や作業スペースとして活用することも可能です。土間に作業台や椅子、収納棚などを設置すれば、自転車の修理や手入れ、DIYなどの作業に便利です。また、プランターに花やハーブ、野菜などの種を蒔けば、室内でガーデニングや家庭菜園も楽しめます。
土間にミニテーブルや椅子を置けば気楽に利用できる応接間が完成し、お茶を飲みながら訪問客をおもてなしできます。その他にも、趣味で収集している物をコレクションとして置いたり、気に入った絵画や作品などを飾ったりするのもおすすめです。
子どもやペットの遊び場
土間は悪天候で屋外に出られない日でも、子どもやペットの遊び場として活用できます。雨や雪の日は外遊びができないため、遊び場は室内に限られてしまいます。土間があればプールや砂遊びなど、外と同じように遊ばせることも可能です。
土間でペットを遊ばせる場合は滑りにくい床材を選ぶことが大切です。床を滑りにくくすることで転倒によるケガを防止できます。また、毛や泥などで床が汚れても簡単に掃除できるので安心です。
玄関で会話を楽しむスペース
玄関に土間を設置することで、訪問客と気軽な会話を楽しむコミュニケーションスペースを作れます。土間でお茶や会話を楽しめるスペースがあれば家の中に人を入れる必要がありません。訪問客を室内に入れずに済むため、室内や家族のプライバシーを守ることができます。
玄関に訪問客と会話ができるスペースを設けたい場合は、土間に椅子とテーブルを置いて環境を整えましょう。
土間のある平屋住宅の実例
平屋に土間を設置する場合は、土間の用途や活用方法を決めてから間取りを考えると理想的な平屋を建てられます。フリーダムアーキテクツが手掛けた土間のある平屋住宅の建築実例を紹介します。
実例①広々とした土間があるバリアフリーの平屋住宅
注文住宅の家づくり|CASE740 光とともに
バリアフリーで室内を回遊できるように生活動線が工夫された平屋住宅の実例です。家の正面には駐車スペースがあり、手すりやスロープが設けられたアプローチが玄関まで続いています。
玄関の土間スペースにはシューズインクローゼットがあり、家族分の靴だけでなく車イスなども置いておけます。玄関や室内は段差がなく、壁には手すりが設けられています。バリアフリーに対応した平屋のため、車イスに乗ったままでもLDKまでスムーズな移動ができるように工夫されています。
実例②明るい光が差し込む玄関土間がある平屋住宅
注文住宅の家づくり|CASE719 Flat foam
山裾の住宅街に建てられた平屋のコートハウスの実例です。玄関には白を基調とした土間空間があり、開閉しないFIX窓を設置することでウッドデッキのある中庭を見渡せるうえに、光が入る明るい空間を実現しています。
土間の奥行きは長くないものの、LDKに続くドアと壁の一部をガラスにしたことで視線が抜けるように工夫されているため、玄関ホールの狭さを感じさせません。土間スペースは広々としており、旅行帰りで疲れているときにキャリーケースを土間に置いておくといった活用方法もあります。
実例③自転車も置ける広い土間玄関の平屋住宅
注文住宅の家づくり|CASE698 「景の家」
自転車を置いてもスペースに余裕がある土間玄関の平屋住宅です。緩やかなカーブに沿って植栽があるスロープのアプローチは玄関まで続き、玄関に入ると自転車を置けるだけの広々とした土間空間が出迎えてくれます。
ドアや棚には木材が使われており、無機質なモルタルの床でも温かみのあるナチュラルな雰囲気が感じられるのが印象的です。土間の奥はガラス扉や小窓が設置され、採光を確保するのと同時に外へと視線が抜けるように工夫されています。
実例④土間空間が屋外と室内をつなぐ和モダンな平屋住宅
注文住宅の家づくり|CASE686 桜並木の平屋
目の前に芝生が広がる和モダンな平屋住宅です。3段の階段を上がった先に玄関があり、中に入るとモルタルで仕上げられた土間空間が広がっています。大開口のガラス窓が設置されており、中庭の植栽が眺められるように工夫された開放的な間取りです。
土間は屋外のウッドデッキと室内を繋げる役割として存在し、モルタルの廊下は平屋の奥まで続き、奥行きが感じられます。格子戸や天井、床には木材を使用することでモルタルを取り入れながらも和モダンの雰囲気を作り出しています。
実例⑤田園風景が広がるまちを堪能できる中庭と土間のある平屋住宅
注文住宅の家づくり|CASE661 環(めぐる)いえ
日本の原風景を代表する田園が広がるまちに建てられた平屋住宅です。ウッドデッキを中心に回遊できる間取りの平屋で、玄関は中庭が見える開放的な空間となっています。外への出入りは玄関だけでなく、室内からも直接出入りができる扉と階段があります。
家を囲うように庇があり、すぐ下には通り土間が設置されているため外から家中を環(めぐる)ことも可能です。
実例⑥外部とのつながりを感じられる通り土間のある平屋住宅
注文住宅の家づくり|CASE622 fit
温かみのあるグレーの外壁と木のルーバーが印象的な平屋住宅です。玄関の目の前には、家の一角をキューブ上に切り取ったような駐車スペースが設けられています。
玄関前のアプローチは通り土間で、道路側に設置された木のルーバーから光が入るのと同時に、適度な目隠しとなって室内のプライバシーの確保に一役買いました。アプローチに面する室内は大開口の窓があり、外と中のつながりを緩やかに感じられるように工夫されています。
実例⑦空間の変化を楽しめる土間リビングの平屋住宅
注文住宅の家づくり|CASE588 涅の櫂
波のように2段階の傾斜を持つ特徴的な屋根の平屋住宅です。玄関はモルタルでできた広々とした土間空間で、シューズインクローゼットが設置されています。シューズインクローゼットからは室内へアクセスできる間取りとなっており、土間には自転車を置くことも可能です。
リビングは土間で仕上げられており、隣接するテラスと繋がって開放的な空間を作り出しています。キッチンと土間リビングに段差を設け、リビングを下げることで天井が高く感じ、メリハリのある空間となっています。
実例⑧開放性とプライバシー性を実現できた土間のある平屋住宅
注文住宅の家づくり|CASE420 光庭の家
田園が広がる場所に建てられたシンプルな箱形の平屋住宅です。土間玄関は横幅が広く収納スペースも十分で、ベビーカーやキャリーケースなどの場所を取る物も収納しておけます。
土間は玄関からLDKまでの間だけでなく、家中の至る所にあります。中庭と繋がる土間は各部屋への行き来が可能です。家の中心の中庭にある土間はプライバシー性が確保されているため、人目を気にする心配がなく開放感があります。
土間を活用して開放感のある平屋住宅を建てよう!
土間は収納だけでなく、リビングやテラスなどのさまざまな活用方法があり、悪天候でも作業や趣味、遊び場として利用できます。床が汚れてもホウキで掃いたり水を流したりできるため、子どもの遊び場としても有効です。
ただし、冬は底冷えしやすく、結露や湿気対策を行う必要があります。平屋に土間を設置する場合は、土間のある住宅の実績が豊富な専門家に相談することをおすすめします。
フリーダムアーキテクツは、平屋住宅や土間のある住宅の設計実績が豊富な建築設計事務所です。土地探しからお手伝いしており、土間と室内スペースのバランスを考えた最適なご提案をいたします。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。