
家を作る際、廊下を設けなければ同じ延床面積でもLDKや個室を広くできるため、廊下を無くしたいと考える人もいます。ただし、廊下を無くすことにはメリットがある一方でデメリットがあるのも事実です。そのため、廊下を無くしたことで後悔する人も一定数います。
この記事では、家を廊下のない間取りにすることで後悔する理由とその解消法について解説するので、これから家を建てる予定の人はぜひ参考にしてください。
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廊下のない間取りで後悔する理由と解消方法

家を作る際、廊下のない間取りにして後悔する理由は人それぞれです。ここでは、廊下のない間取りにして後悔する代表的な5つの理由について、解消方法と併せて詳しく解説します。
冷暖房効率が悪くなる
廊下のない間取りにして後悔する1つ目の理由として挙げられるのが「冷暖房効率が悪くなること」です。しかし、この問題は高気密・高断熱の家にしたり、全館空調システムを採用したりすることで、ある程度は解消できます。
廊下がないと空間を仕切るものがなくなるため、冷暖房効率は悪くなりがちなことに注意が必要です。空間を仕切るものがないと、1台の空調機器でより広い空間を冷やす・温める必要が出てくるためです。
また、リビングに階段を設置しているとさらに冷暖房が効きにくくなるため、その分光熱費がかかります。夏は暑く、冬は寒い家になってしまうため、機密性・断熱性を高める施策や全館空調システムの採用を検討しましょう。
キッチンのにおいが別室まで広がってしまう
廊下のない間取りにして後悔する2つ目の理由として挙げられるのが「キッチンのにおいが別室まで広がってしまうこと」です。これを防止するためには、キッチンの換気扇の性能が高いものを採用したり、キッチンとリビングをパーテーションで仕切ったりなどの工夫が有効になります。
そもそも、廊下は部屋と部屋の間の緩衝地帯として、音やにおいがダイレクトに伝わるのを防ぐという点で非常に重要です。廊下がないと料理をする際に出るにおいが寝室や子ども部屋などに広がり、洋服や寝具ににおいが付くことも考えられます。特に音やにおいに敏感な家族がいる場合は、前述した対策をしっかり盛り込みましょう。
トイレの流水音が気になる
廊下のない間取りにして後悔する3つ目の理由として挙げられるのが「トイレの流水音が気になること」です。これを防ぐためには、LDKとトイレの間に洗面所を設ける、防音性の高いドアを採用するなどの工夫が有効になります。
前述したように、廊下がないと音やにおいがダイレクトに伝わるため、流水音が響いてもおかしくありません。特に、LDKとトイレが隣接していた場合、かなりの確率で音が聞こえてしまうはずです。他の家族に音を聞かれるだけでなく、お客さんが来てくれたときに恥ずかしい思いをさせてしまうかもしれません。
家族同士が快適に暮らせ、お客さんに恥ずかしい思いをさせないよう、最大限の気配りをしましょう。
リビングのテレビの音が気になる
廊下のない間取りにして後悔する4つ目の理由として挙げられるのが「リビングのテレビの音が気になること」です。これを防ぐためには、防音性の高い壁やドアを採用したり、部屋と部屋の間に収納スペースを作ったりするのが有効になります。
家族間のコミュニケーションを活発にしたいからと廊下のない間取りにすること自体は悪くありません。しかし、廊下がないとLDKや寝室、子ども部屋が近くなり、物音や話し声が丸聞こえになる可能性があります。
また、夜遅く帰ってきた家族がテレビをつけると音が子ども部屋にまで響き、起きてしまうかもしれません。毎日のことだとかなりのストレスになることが懸念されるため、やはり配慮が必要です。
寝室・子ども部屋のプライバシーを確保しにくい
廊下のない間取りにして後悔する5つ目の理由として挙げられるのが「寝室・子ども部屋のプライバシーを確保しにくいこと」です。プライバシーを確保するという意味では、該当する部分だけにでも廊下を設けましょう。
前述した「リビングのテレビの音が気になること」と重複する部分がありますが、廊下がないとリビングに来客があった際も、子ども部屋や寝室にまで話し声が響くかもしれません。
また、廊下がないと寝室や子ども部屋に入るためにリビングを通らなくてはいけません。プライバシーの確保という意味では明らかにマイナスであるため、ストレスを溜めたり、家族間でのいさかいの原因になったりするため注意が必要です。

廊下のない間取りのメリット

廊下のない間取りには一定のメリットもあるため、家を建てる際にあえて廊下を作らないことを選択する人もいます。ここでは、廊下のない間取りのメリットとして、以下の5点について解説しましょう。
居住スペースを増やせる
廊下のない間取りの1つ目のメリットとして挙げられるのは「居住スペースを増やせること」です。廊下のない間取りであれば、同じ延床面積でもリビングや個室などの居住スペースを広くすることができます。特に、土地自体が狭く、廊下を作ると居住スペースも狭くなってしまう場合は、廊下を作らないことを前向きに検討すべきでしょう。
ただし、廊下を設けない間取りは家としての居住性を著しく下げる可能性もあります。このあたりは設計士の技量にかかっているため、経験があり、アイデアの豊富な設計事務所に依頼しましょう。
建築費を抑えられる
廊下のない間取りの2つ目のメリットとして挙げられるのは「建築費を抑えられること」です。廊下を設けないことで、廊下を設ける場合と比べ壁の量が少なくできるため、建具の数も抑えられます。このことにより、全体としての建築コストも削減も可能です。
また、建物自体を小さくできるため、狭い土地でできるだけ広く使える家を建てたい場合にも、廊下を作らないことで希望が叶えられるかもしれません。予算に限りがあり、できるだけ節約に努めたい場合も廊下のない間取りはプラスになり得ます。
部屋の温度差が生じにくい
廊下のない間取りの3つ目のメリットとして挙げられるのは「部屋の温度差が生じにくいこと」です。前述したように、廊下がないと冷暖房効率が落ちる反面、部屋同士の温度差は発生しにくくなります。
特に冬場は、廊下に出たときの冷たい空気を感じずに別の部屋に移動できるのが大きなメリットです。温度差が大きい部屋間を移動することで血圧の乱高下を引き起こす「ヒートショック」が起きがちになります。家族の健康のためにも、部屋間の温度差をできるだけなくすることは有効なので、廊下のない間取りを検討しましょう。
生活動線が短く移動がしやすい
廊下のない間取りの4つ目のメリットとして挙げられるのは「生活動線が短く移動がしやすいこと」です。廊下がないとLDKで個室とつながるため生活動線が短くなります。つまり、部屋間の移動距離も少なくなるため、日々の生活での移動の負担も軽減できるのが大きなメリットです。
家の中での移動は毎日のことであるため、生活動線は短いに越したことはありません。ただし「手前の個室を横切らないと奥の個室に行けない」といった、使いにくい間取りにならないよう綿密なプランニングをする必要はあります。
家族とのコミュニケーションが取りやすい
廊下のない間取りの5つ目のメリットとして挙げられるのは「家族とのコミュニケーションが取りやすいこと」です。前述したように、廊下がないとプライバシーを確保しにくいというデメリットがありますが、これは家族とのコミュニケーションを取りやすいというメリットにもつながります。
基本的にLDKを通って各部屋にアクセスすることになるため、家族同士で顔を合わせやすい間取りであるのが特徴です。子どもが帰宅した際も様子が分かりやすく、何か異変が起きても気づきやすいことから、子育て世代に向いている間取りと言えます。

廊下のない間取りに関するよくある質問

ここまででは取り上げなかった点を含め、廊下のない間取りにさまざまな疑問について「よくある質問」形式で解説します。廊下のない間取りの家に興味があるなら、ぜひ参考にしてください。
廊下のない間取りのデメリットは?
廊下のない間取りのデメリットとして、ここまで紹介した理由以外にも間取りの自由度が低くなることが挙げられます。廊下を設けないと、家の中を移動するためには別の部屋を通らなくてはいけません。
工夫をしないと「キッチンからゴミを出すのに寝室を通らなくてはいけない」など、使いにくい間取りに仕上がる可能性があります。このような事態を避けるためには、経験や実績の多い設計事務所に依頼することが重要です。
平屋の場合、廊下がないメリットは?
平屋の場合、廊下がないことで日当たりや風通しがよくなることが大きなメリットとして挙げられます。前提として、廊下がないと空間同士の壁もなくなるため、部屋全体を明るくすることが可能です。
さらに、ワンフロアに全ての部屋が配置される平屋は、廊下がないことで家族とのコミュニケーションがより豊かになります。家を作るにあたってコミュニケーションを重視するなら、ぜひ「廊下のない平屋」を検討しましょう。
間取りで後悔しやすいことは?
間取りで後悔しやすいこととして挙げられるのは「部屋の広さ、動線に満足できない」「窓からの通行人の視線が気になる」などです。
また、「収納不足」「バルコニーや中庭の使用頻度が低い」「コンセントが足りない」なども挙げられます。廊下の有無に限ったことではありませんが、家を建てる際は「建てたあとの自分たちの生活」を考えることが重要です。実際に家具を置いたイメージや暮らしを細かく想像しましょう。

廊下のない間取りでスペースを有効的に使おう

事前に熟慮を重ねずに廊下のない間取りにすると、後々後悔する結果になりかねないのは事実です。しかし、それを上回るメリットもたくさんあるため、「空間を広く使いたい」「コミュニケーションを活発にしたい」などの希望があるなら廊下のない間取りを前向きに検討しましょう。
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この記事を書いた人

FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。