
CASE460 三色 ~さんしき~
2階建ての家には必ず階段がありますが、近年は階段の種類や設置場所が多様化し、選択肢が増えています。階段の配置は家の間取りを左右するため、生活スタイルに合わせて形状や種類、素材を選ぶことが大切です。
この記事はこんな人におすすめ
- 注文住宅の階段は間取りにどう影響する?
- 最適な階段の位置や種類の選び方を知りたい
- 階段の安全性を確保するための確認事項は?
この記事でわかること
- 注文住宅の間取りを決める階段の位置決め
- 注文住宅の階段の種類とそれぞれのメリット・デメリット
- 階段の安全性を確保するための重要事項
- 注文住宅のおしゃれな階段の建築実例
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目次
間取り決定のポイントは階段の位置決めから
家の間取りを決めるにあたり、生活動線は切っても切り離せないものです。生活動線を決めることができれば自ずと間取りも見えてきます。階段の位置決めについても同様のことが言えます。
多くの場合、階段の位置はリビングか玄関ホールのどちらかを検討することになります。リビング階段と玄関ホールの階段にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、目的に合った階段の位置を選びましょう。
以下で、リビング階段と玄関ホールの階段についてそれぞれ解説します。
リビング階段

CASE642 優×和
「家族が帰ってきたらまずリビングに顔を出してほしい」という人は、リビング階段がおすすめです。リビング階段のメリットは、家族のコミュニケーションが生まれることです。2階と行き来する際に必ずリビングを通るので、家族と顔を合わせる機会が自然と増えます。
一方デメリットは、リビングと2階の空間がつながることで空調の効率が悪くなる点です。例えば暖かい空気は上にたまりやすいので、暖房で暖めた空気が2階に広がってしまい、リビングが暖まりにくくなります。また、音やにおいも2階に伝わりやすいため、料理のにおいや生活音が気になるという人もいるでしょう。
玄関ホールの階段

CASE626 Triangle
帰宅してすぐに2階に上がることが多い場合には、玄関ホールに階段を設置すると動線がスムーズになります。玄関ホールの階段は2階に上がりやすいだけでなく、階段下をトイレや収納、本段として有効活用できるのがメリットです。
敷地面積に余裕があるなら、階段に踊り場を設けるのも良いでしょう。踊り場を収納スペースやワークスペースにすれば、おしゃれで機能的な階段になります。
なお、悩みがちな階段下のデッドスペースの有効活用方法については以下の記事で詳しく紹介しているので併せてご覧ください。

階段の種類別メリット・デメリット

代表的な階段、3種類のメリット・デメリットを紹介します。
直階段
直階段とは、踊り場がなく、下から上まで一直線に上がっていくタイプです。もっともスタンダードな階段の形で、必要面積が狭いため、敷地面積が狭い家におすすめです。
また、敷地面積が長方形の場合、壁に沿って長くスペースを取れるので、階段下のスペースを有効活用できます。デメリットとしては、勾配が急になりやすく、階段の途中で転倒してしまうと下まで落ちてしまう危険性があることです。小さい子どもや高齢者がいる家庭では注意しましょう。
折れ階段
折れ階段とは、階段の途中でL字型に折れ曲がっている階段です。メリットは、折れ曲がっている部分が踊り場になっているため、階段の上の方で転倒しても踊り場で止まることができます。一方、踊り場がある分、直階段と比べて広い設置面積が必要なことがデメリットです。
折り返し階段
折り返し階段とは、U字型に折り返す階段です。折れ階段同様、階段の途中に踊り場がありますが、より広いスペースとなります。万が一転倒しても、下まで落ちることがない点はメリットでしょう。また、勾配がゆるやかなため安全感もあります。
階段の種類については、以下の記事でも詳しく説明しているので併せてご覧ください。
安全性が欠かせない!階段で検討したい機能性

CASE758 Cool&Pretty
階段は見栄えだけでなく、機能性も重視しなければなりません。ここでは、階段を検討する際に知っておきたい機能について解説します。
安全に上り下りできる段板
階段から落ちると大怪我につながるおそれがあるため、安全に上り下りできることが大前提です。階段の寸法は建築基準法によってサイズが定められているので、以下の基準を守るようにしてください。
・階段幅:75cm以上
・踏み面:15cm以上
・蹴上げ:23cm以下
なお、小学校の階段の基準は上記よりも階段幅や踏み面が広く、蹴上げは低く設定されています。小さなお子さんがいるご家庭では、建築基準法の基準よりもさらに安全性に配慮するのがおすすめです。
デザイン性が高く手を添えやすい手すり
階段の安全性を高めるには、機能的な手すりが必要です。ただし手すりは存在感があるので、特にリビング階段を採用する場合はデザイン性も重視したいところです。
アイアン素材の手すりになると、スタイリッシュな印象に仕上がります。小さなお子さんがいて心配な場合は、階段横からの落下対策としてパネルや縦格子のある手すりを選ぶと良いでしょう。
デザインによって手すりの印象は大きく変わるので、インテリアに合わせて検討してみましょう。以下の記事で注文住宅の階段で後悔しやすいポイントをまとめているので、ぜひこちらも参考にしてください。
丈夫で空間に馴染む素材
階段はステップの素材によっても使いやすさや印象が変わります。ナチュラルで優しい雰囲気を求めるなら木の階段、スタイリッシュで引き締まった印象が好きな人はスチールの階段がおすすめです。
スチールは木よりも強度が高く、薄く・細く加工できるという特徴があります。素材によって可能なデザインや仕上がりが変わるので、丈夫かつ空間に馴染むものを選びましょう。

注文住宅で階段を考えるときのポイント
私たちがお客様からよくご相談いただくのが「階段をどこに配置するか」という点です。代表的な配置は、「玄関ホール」「廊下」「リビング」の3パターンですが、それぞれにメリットと注意点があります。
例えば、玄関に階段を設けると、来客動線と生活動線を分けられるためプライバシーを守りやすい反面、家族同士の顔を合わせる機会が少なくなりがちです。
一方、リビング階段の場合、上階に上がる際に必然的にリビングを通るため、自然と会話が生まれやすく、子育て世帯を中心に人気があります。ただ、空調効率や音、においの広がりなど、快適性に関わる点には考慮が必要です。
限られたスペースを有効活用しながら、明かりや開放感を確保できるスケルトン階段を採用した住宅の設計実績も多くあります。家族のライフスタイルや価値観によって、最適な階段の配置は変わると言えます。
注文住宅の階段の建築実例
ここからは、注文住宅のおしゃれな階段の建築実例を紹介します。
視線を引きつける、空間のアクセントになるワイヤー階段

case484 やまのいえ
湖畔に建つ「山荘」がコンセプトの住宅です。玄関ホールに設置された階段は、スチール製のフレームを用いた浮遊感のあるデザインが特徴です。踏み板の中央が抜けた形のため、光が遮られることなく室内に入り、空間全体を明るく保っています。
また、白い壁や床の木質素材との組み合わせによって、無機質さを和らげつつ、モダンでおしゃれな印象を演出しています。
宙に浮かぶブラック階段が主役に。空間を引き締める片持ちデザイン

CASE779 OWN SPACE
シンプルで落ち着いた外観の住宅です。黒のスケルトン階段は、直線的なデザインが際立つ片持ちデザインで、踏み板が壁から突き出すように配置されています。グレーカラーの床と白い壁のコントラストが、軽やかでスタイリッシュな印象を与えています。
また、手すりにはガラスパネルを組み合わせることで、安全性を確保しつつ、開放感を演出している点も特徴です。大きな開口からは明かりがたっぷり入り込み、モノトーンの空間を和らげています。
光とともに表情を変える、スケルトン階段のある明るい空間

CASE745 自由が丘の家
アジアンリゾート風のデザインで統一された住宅の事例です。スケルトン階段は、木材の厚みを活かした重厚感ある段板と、スチール素材の手すりを組み合わせたデザインが特徴です。また、昼はFIX窓から自然光が入り、夜はフットライトで照らされて異なる表情を演出します。
直線階段と折れ階段をつなぎ、ガラスパネルと合わせることで、開放感と安全性を両立させている点もポイントです。木の温かみと白い壁、無機質な素材が調和し、モダンかつナチュラルな雰囲気にまとめられています。
軽やかに浮かぶ片持ち階段で、モダンな空間を演出

CASE477 とじる・ひらく
無機質さが印象的な1階と、木素材でナチュラルな雰囲気の2階をつなぐ階段です。木材の厚みを活かした段板と、シンプルな鉄骨フレームを組み合わせたデザインで、中庭に面した開口からたっぷりと自然光を取り込めます。
また、植栽によって空間にやわらかさが加わると同時に、中庭とのつながりも感じられます。
玄関からスムーズにつながる、黒の箱型階段が描く美しい動線

CASE749 dignified housing
床はグレーのタイルで統一し、角にシンボルツリーを置いた玄関から2階にアクセスする黒の箱型階段です。重厚感のある玄関は薄暗いながらも、白い壁と黒い階段のコントラストが際立っています。
また、植物によって、モダンで風通しの良さを感じられる空間に仕上がっています。

注文住宅で家族に合った階段を計画しよう
階段を設置すると敷地面積を取りますが、そのスペースを収納や作業スペースに使うなど便利な点もあります。また、階段の種類や位置を考えると、家族の生活スタイルも見えてきます。それぞれの階段にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、一概にどれが最適かは言うことができません。
大切なのは新しい家でどう過ごしたいかということです。家族が幸せになるための家。その家をつくる第一歩は、階段から始まるともいえるかもしれませんね。
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注文住宅の階段に関するよくある質問

注文住宅の階段に関するよくある質問と、その回答を紹介します。
階段の配置はどこにすれば暮らしやすい?
玄関ホールに設ける「独立階段」は、来客時にプライベート空間を見られにくいですが、家族の顔を合わせる機会が減りやすい傾向があります。一方、「リビング階段」は基本的にリビングを通るため、家族間のコミュニケーションが自然に増える反面、冷暖房効率やプライバシーへの配慮が必要です。
また、玄関ホールの階段は、外出や帰宅の動線もスムーズです。リビングに階段を設置する場合、デザイン性にこだわることでインテリアのアクセントになります。吹き抜けや窓と組み合わせれば、採光や通風を確保しつつ、開放感を演出できます。
階段の掃除やメンテナンスはどうすればいい?
階段の素材に合ったお手入れが必要です。木製の階段は、乾いた柔らかい布や化学雑巾でホコリを拭き取ります。鉄骨やスチールの階段は、サビを防ぐために乾拭きをし、防錆剤を併用すると長持ちしやすいでしょう。スケルトン階段や段板が浮いて見えるタイプは、掃除機やブラシでこまめに掃除をすることが重要です。
木製の階段では、滑って転倒するリスクが高まるためワックスがけは避けましょう。コードレス掃除機や使い捨てワイパーを階段の側に置いておくなど、ついでに掃除しやすいような仕組みを取り入れることで、きれいな状態を維持できます。
階段下のスペースは有効活用できる?
階段下は、収納やワークスペースなど多用途に活用できます。扉付き収納や可動棚を設ければ、日用品や季節用品を収納できますし、デスクや飾り棚を置いてワークスペースや趣味の部屋とすることも可能です。また、子どもの遊び場やペット用スペースとしても使えます。
ただ、湿気がこもりやすいため、換気や照明を考慮する必要があります。ライフスタイルの変化に応じてアレンジできるように設計すると、空間を有効活用できるでしょう。
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この記事を書いた人

フリーダムアーキテクツ
設計チーム
1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。