CASE639 Wall Side
車やバイクを持つ方の中には、ガレージハウスに憧れを抱いている方もいるでしょう。ガレージハウスがあれば、天候に関わらず車やバイクの整備やお手入れができます。
本記事では、二階建ての注文住宅を検討している方に向けて、二階建てのガレージハウスを建てるメリットや注意点、費用相場などを解説します。二階建てガレージハウスの間取りの例やフリーダムアーキテクツの建築実例も紹介しているため、参考にしてください。
無料住宅作品集の取り寄せ
変形地の実例を含む、約40の実例写真・間取り・価格をご紹介。資料請求いただいた皆様に、無料でお届けします。
住宅作品集を取り寄せる
目次
ガレージハウスとは
ガレージハウスとは、建物の内部に駐車スペースを設けた家のことです。屋内にガレージがあることから、インナーガレージやビルトインガレージとも呼ばれています。
ガレージハウスは都市部で建てられることも珍しくありません。都市部は、土地代が安く広い土地を確保しやすい郊外や地方のエリアと比べて、土地代が高い上に面積が狭く、屋外に駐車スペースを設けるのが難しい傾向があります。ガレージハウスを建てれば、居住スペースと駐車スペースの両立が可能です。
ガレージの広さや費用相場
ガレージの設置費用の相場は1坪当たり50~80万円程度が一般的です。車1台を駐車するために必要な広さは4~6坪程度で、およそ200~480万円の設置費用が発生します。車を2台駐車させる場合は8~10坪程度の広さが必要で、設置費用は400~800万円かかります。
ただし、車種によっては車体サイズやドアの開き方によって確保すべき広さは異なり、ガレージに求める広さも当然変わるため注意が必要です。ガレージが狭いと車のドアを全開できない、ガレージに車が収まらず他の車種を検討しなければならないなどの問題が発生する恐れがあります。
ガレージハウスを建てる場合は、将来の計画を考慮して家の設計を依頼しましょう。
二階建てガレージハウスのメリット
二階建てのガレージハウスは、建築コストを抑えられる、狭小地でも駐車スペースを確保できるなど、さまざまなメリットがあります。ここからは、二階建てのガレージハウスを建てるメリットを解説します。
平屋のガレージハウスに比べて建築コストを抑えられる
二階建てのガレージハウスは平屋のガレージハウスと比べると、建築コストを抑えられます。延床面積が同じ二階建てと平屋で比べた場合、二階建ては居住スペースや駐車スペースを一階と二階に分けることができるため、基礎や屋根部分の面積を削減できます。
一方の平屋は居住スペースと駐車スペースは全て一階に建てる必要があり、二階建てよりも2倍広い土地が必要です。また、三階建ては構造計算や防火・耐火関連などの規制があるため二階建てよりも、建築コストが高くなります。
狭小地でも駐車スペースを確保できる
ガレージハウスのメリットは、広い土地でなくても駐車スペースの確保が可能なことです。狭小地でもガレージハウスは屋内に駐車スペースを作れるため、他の場所に駐車場を借りる必要がありません。
ガレージハウスを検討している方の中には、駐車スペースを設けることで居住スペースが狭くなると心配する方もいるでしょう。しかし、工夫次第で狭小地に建てるガレージハウスでも居住スペースを十分に確保できます。
外観をおしゃれに仕上げられる
二階建てのガレージハウスを建てるメリットは、おしゃれな外観の家に仕上げられることです。建築コストをもっとも抑えられるのは総二階建ての家です。
しかし、総二階建ての外観は箱型でシンプルな印象になりやすい傾向があります。ビルトインガレージにすることで、総二階建てのシンプルな外観に立体感が生まれ、インパクトのある外観に工夫できます。ガレージに開閉式のシャッターを組み合わせてもおしゃれです。
雨の日でも濡れずに車から室内へ移動できる
ガレージハウスは、天候を気にすることなく車の乗り降りや、室内との行き来ができます。駐車スペースを屋外に設置した場合、雨の日は車の乗り降りをする際に服や買い物の荷物が濡れる恐れがあります。傘を差して車と家を移動する必要があり、面倒だと感じる方もいるでしょう。
ガレージハウスであれば車を屋内に駐車できるため、雨に濡れる心配はありません。傘を差さずにガレージから直接室内に入り、買い物などの荷物を運ぶことも可能です。
盗難や雨風などから車を守れる
ガレージハウスは、盗難や雨風による車体の劣化などのリスクから車を守ることができます。屋外に駐車スペースを設ける場合は、車の盗難や車上荒らしのリスクが高まります。とくにクラシックカーや高級車など、高く売れる車は盗難のリスクが高まるため注意が必要です。
また、長期間車が雨風にさらされると車体に傷が付く恐れがあります。シャッター付きのガレージハウスにすれば防犯性が高まり、さまざまなリスクから車を守れます。さらに、普段からガレージのシャッターを閉めておけば、外から見ても在宅か留守かの判断がしにくいため、空き巣対策にも効果的です。
生活動線をまとめられる
ガレージハウスは、限られた広さの中で居住スペースを確保する必要があり、間取りを工夫することで生活動線をまとめられます。例えば、ガレージとシューズクロークやキッチンに隣接したパントリーへの動線をつなげることで、買い物後のスムーズな動線を確保できます。
ガレージから出入りすれば来客中に家族と訪問者が玄関で鉢合わせして、お互いに気を遣う状況を避けることも可能です。
趣味や収納スペースなど家族で活用できる
ガレージは駐車スペースとしてだけでなく、車が出た後の空きスペースを多目的に活用することも可能です。例えば、DIYの作業スペースや趣味を楽しむためのスペースとして有効活用できます。
また、子どもの遊び場や友人との憩いの場所として利用するのもよいでしょう。ガレージに収納スペースを設ければ、DIYで使用する道具やアウトドア用品、子どもの屋外用の玩具などを保管でき、ガレージの使い勝手がよくなります。
容積率の緩和措置が適用される
二階建てのガレージハウスは、容積率の緩和措置を有効活用できる可能性があります。容積率とは、敷地面積に対する、一階と二階の床面積の合計(延床面積)の割合のことです。延床面積の上限は以下の計算式で計算できます。
延床面積の上限=敷地面積×容積率
例えば、敷地面積が25坪、容積率が200%の土地に家を建てる場合の延床面積の計算式は次のとおりです。
25坪×200%=50坪
ガレージの床面積は、建物の延床面積の1/5以内に収めれば容積率の緩和措置が適用されます。ガレージの広さを50坪の1/5である10坪以内に抑えれば、ガレージの床面積は延床面積に含まれないため、50坪全てを居住スペースとして利用できます。
二階建てガレージハウスの注意点
二階建てのガレージハウスを建てる際は、通常の二階建てよりも建築コストが高くなる、居住スペースを削ってガレージに充てる必要があるなど、いくつかの注意点があります。ここからは、二階建てのガレージハウスを建てる際の注意点を解説します。
通常の2階建てよりは建築コストが高くなる
二階建てのガレージハウスの建築コストは、ビルトインガレージのない二階建てよりも高くなります。駐車や車の出入りをしやすくするには、駐車スペースの広さと大きな開口部を確保することが重要です。
ただし、開口部が大きくなるほど建物の強度は低くなる恐れがあります。建物の強度を高めるにはより強度の高い建材が必要なため、建材にかかる費用負担が大きくなります。二階建てのガレージハウスを建てる場合は、計画的に予算を立てましょう。
居住スペースを削ることになる
ガレージハウスは、ガレージの床面積によって居住スペースを減らす必要があります。
ガレージの床面積は、駐車する車の台数や駐車スペース以外の利用目的によって必要な広さは変わります。駐車スペースとしては車1台当たり4~5坪が必要で、車を2台置きたい場合は8~10坪の広さが必要です。延床面積にはガレージの床面積も含まれるため、ガレージが広くなるほど居住スペースを削る必要があります。
ただし、ガレージの広さを狭くしすぎると、車のドアの開閉や荷物の運搬の際に使い勝手が悪くなります。そのため、ガレージに必要な広さを確保しつつ、十分な広さの居住スペースを設けることが大切です。
二階建てのガレージハウスを建てる場合は、将来の計画を含めた理想のライフスタイルを明確にし、容積率の緩和措置をうまく活用しながら家族全員が快適に暮らせる間取りを検討しましょう。
音や排気ガス対策が必要
ガレージハウスは屋内にガレージを設置するため、車のエンジン音や振動が室内に伝わり生活の質が低くなる恐れがあります。ガレージの横に寝室を作ると、家族の眠りを妨げてしまいます。とくに、ガレージの横に小さい子どもが過ごす部屋を設けた場合、車が出入りする度に子どもが起きてしまい、寝かしつけるのが難しくなるでしょう。
また、ガレージの換気対策を怠ると、ガレージ内に溜まった車の排気ガスが室内に逆流し、排気ガスの臭いで家族が不快に感じる可能性があります。ガレージの換気対策をする場合は、ガレージの気密性を高める構造にする、換気扇や新鮮な空気を取り込むための窓の設置などを検討しましょう。
耐震性が低くなる
ガレージの間口は車の出入りをしやすくするためにも広く取る必要があるものの、その分家の耐震性が低くなります。家の耐震性を高めるには構造計算を行い、家の強度を保つための壁を設置する、強度の高い建材や構法を選ぶなどの対策が必要です。
耐震性の高いガレージハウスを建てるなら、ガレージハウスの実績が豊富で複数の構法に対応できる会社を選びましょう。
二階建てガレージハウスの間取り例
ガレージハウスを建てる際は、ガレージと居住スペースの両方で十分な広さを確保する必要があります。十分な広さを確保するには、間取りを工夫することが大切です。ここからは、二階建てのガレージハウスの間取り例を紹介します。
間取り①ガレージを確保しつつ動線に工夫を凝らした二階建てガレージハウス
車1台を駐車できる二階建てのガレージハウスの間取りです。ガレージの床面積は14.3帖(7坪程度)で、車1台の他にバイク1台や収納も置ける余裕があります。ガレージ内には玄関につながる出入口があるため、雨の日でも車の乗り降りや荷物を運搬する際に濡れる心配がありません。
ガレージの広さを確保するための工夫として、トイレや浴室などの水回りは二階にまとめた間取りにしています。二階のバルコニーから洗濯機置き場までの家事動線もスムーズです。一階にもトイレと、手洗いや最低限のパウダールームを設けることで朝の身支度ができるスペースを一階と二階に分散でき、混雑を避けられるように工夫されています。
間取り②無駄のないコンパクトな二階建てガレージハウス
車1台が駐車できるガレージ付きの二階建て住宅の間取りです。一階はLDKとトイレ、浴室などの水回りをコンパクトにまとめた間取りにしています。家族全員の居室はガレージから離れた二階に集めているため、排気ガスやエンジン音、振動によって家族が不快になる心配がありません。
ガレージには室内とつながる出入口はなく、室内への直接の出入りはできないものの、玄関をガレージの横に設置することでガレージからの移動の不便さを解消しています。ガレージだけでなく、居住スペースにも十分な広さを確保しており、全体的に無駄のない間取りに工夫されています。
間取り③大空間のLDKのある二階建てガレージハウス
二階に開放的なLDKがあるガレージハウスの間取りです。一階にはガレージとトイレ、簡易的なパウダールームや居室、書斎があります。寝室とガレージの間に水回りを設置することで、早朝や深夜に車を出し入れする場合でも、エンジン音や振動が寝室に伝わらないよう配慮した間取りになっています。
二階には29.8帖(15坪程度)で吹き抜けのある大空間のLDKを配置しており、バルコニーの数はLDKに2つ、パウダールームに1つです。LDKに隣接するバルコニーは8.6帖(4坪程度)と4.3帖(2坪程度)の広さがあり、リラックス空間や物干し場として利用できます。
間取り④広々としたゆとりのある二階建てガレージハウス
車3台分の広さがあるガレージ付きの二階建て住宅の間取りです。ガレージからトレーニングルームを経由して家へ出入りできます。一階には28.9帖(15坪程度)の横長のLDKがあり、窓を開けると隣接するテラスや中庭へ移動できる間取りとなっています。
テラスは18帖(9坪程度)、中庭は30.9帖(16坪程度)の広さがあるため、家族や友人とバーベキューを楽しむことも可能です。水回りにもゆとりを持たせており、来客時でも十分な広さがあります。一階の間取りは家族や友人と交流を深める場で、二階は居室を集めたプライベート空間というようにメリハリのある間取りに工夫されています。
間取り⑤贅沢空間を詰め込んだ二階建てガレージハウス
ガレージから直接家の中に入れる二階建て住宅の間取りです。ガレージから屋内に入ると左右に収納スペースがあり、靴や車のメンテナンス道具、アウトドア用品などを収納できます。
一階には吹き抜けやアイランドキッチン付きの大空間のLDKがあります。LDKの横にはプールが設置されており、イスに腰掛けながら外で涼むことも可能です。プールと寝室の横には浴室やパウダールームなどの水回りがあるため、泳いだ後や寝る前に利用できます。
二階にはセカンドリビングと居室、簡易的な水回りがあり、二世帯として利用したり家族のライフスタイルに合わせたりとさまざまな暮らしに対応できます。
おしゃれでかっこいい二階建てガレージハウスの建築実例
おしゃれでかっこいい二階建てのガレージハウスを建てるには、建築実例を参考にすることをおすすめします。建築実例にはさまざまな工夫が施されているため、参考にすることで家作りのヒントが見つかります。
実例①車3台分が置ける二階建てガレージハウス
注文住宅の家づくり|CASE682 Casa de Resort
高級感が漂うおしゃれな外観が特徴の二階建てガレージハウスです。ガレージには車3台分の広さがあり、家の強度を高めるために構造計算をして1枚の壁を設けています。ガレージ内には照明と、車のメンテナンス道具や作業用具を保管できる扉付きの収納があるため、ガレージ内の作業も可能です。
また、玄関につながる出入口があり、室内への動線もスムーズです。吹き抜けやLDkとフラットにつながる中庭の設置によって、居住スペースを広々と見せています。
実例②立体感と奥行感のある二階建てガレージハウス
注文住宅の家づくり|CASE627 HOUSE . GARAGE HOUSE
白を基調にし、アルミ素材で統一した洗練された外観デザインがおしゃれな二階建てのガレージハウスです。高低差のある土地の特性を活かし、居住スペースとガレージスペースを2つに分けたデザインに工夫されています。
シャッター付きのガレージには車2台が駐車でき、壁面収納もあります。ガレージの後部にあるスリットから中庭に抜けられる動線になっており、ガレージと中庭、LDKのつながりを持たせた個性的な家に仕上がりました。
実例③外観にインパクトがある二階建てガレージハウス
注文住宅の家づくり|CASE637 『Assemble』
重厚感のあるコンクリートの打ちっぱなし風のガレージと、シンプルな塗り壁を組み合わせた外観が特徴の二階建てのガレージハウスです。ガレージのシャッターには木目調の素材を使用しており、唯一無二のおしゃれな外観デザインに工夫しています。ガレージは車1台に加えて、バイク1台とソファを置けるゆとりある空間です。
また、上部に横長の小窓を設けることで換気対策を行うのと同時に、自然光を取り込めるようになっています。
おしゃれで生活動線のよい二階建てガレージハウスを建てよう!
二階建てのガレージハウスは、狭小地でも居住スペースと駐車スペースの双方に十分な広さを確保できます。室内とつながる動線を確保すれば、雨の日でも濡れずに出入りや荷物の運搬が可能です。ただし、ガレージハウスを建てる際はエンジン音や振動、換気対策への配慮が必要なため、実績が豊富な会社に相談しましょう。
フリーダムアーキテクツでは、二階建てのガレージハウスの実績が豊富で、構造計算をした上で設計を行っています。土地に関する情報も提供しており、ガレージハウスに適した土地探しからサポートしています。作品集の配布や特集記事でガレージハウスの情報を提供しているため、ぜひご覧ください。
◆◆「フリーダムが手掛けたデザイン住宅の作品集を今なら無料でお届けします。」
関連記事:
注文住宅の「ガレージハウス」特集
関連記事:「ガレージハウス 事例」
無料住宅作品集の取り寄せ
和モダンな階段のある実例を含む、約40の実例写真・間取り・価格をご紹介。資料請求いただいた皆様に、無料でお届けします。
住宅作品集を取り寄せる
注文住宅・デザイナーズハウス
の建築実例を探す
全国で年間約400棟の注文住宅を
設計しているからこそ、事例も豊富
この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。