
CASE671 実りの平屋
半平屋とは、生活の中心となる1階に加え、規模の小さい2階部分を設けた住まいのことを指します。将来的には1階だけで暮らせるため生活動線がスムーズで、近年人気の平屋のメリットを取り入れつつ、収納不足や間取りの制約といったデメリットを解消できる点が魅力です。
一方で、限られた土地でも建てやすい反面、完全なバリアフリー化は難しいなど注意点もあるため、半平屋の特徴を理解したうえで計画しましょう。
この記事はこんな人におすすめ
- 半平屋が気になっている人
- 半平屋がどんな住まいなのか知りたい人
- 半平屋のメリットが知りたい人
この記事でわかること
- 半平屋の定義
- 半平屋のメリット・デメリット
- 半平屋の間取りや建築実例
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目次
半平屋の住まいとは

CASE698 「景の家」
半平屋は、生活のメインとなるスペースを配置した1階に、規模の小さい2階部分を設けた住まいのことです。平屋風2階建てや準平屋、ほぼ平屋とも呼ばれます。
半平屋の魅力は、平屋と2階建て両方のメリットを兼ね揃えているところです。平屋のメリットである開放感を演出しながら、必要に応じて2階のスペースも活用できます。限られた土地であっても、生活様式に合わせて柔軟な設計が可能です。
半平屋とロフト付き平屋の違い
ロフト付きの平屋は、一見半平屋と構造が似ています。
半平屋の場合は、2階にあたる部分を多目的に利用でき、2階建てとして位置づけられます。一方、平屋に作られたロフトは、天井裏のスペースに設けられ、建築基準法上の規定により、以下に該当すると「階」に見なされません。
・天井高の最も高い部分が1.4m以下である
・床面積は下の階の床面積の2分の1未満である
・用途は居室ではなく、主に収納スペースである
ロフトが付いている平屋で階として算出されない場合は、固定資産税の対象外になるメリットがあります。
2階建てとの違い
半平屋と2階建てでは、1階と2階の床面積のバランスが異なります。2階建ての住宅は、1階にLDKや水まわりを、2階に寝室や子ども部屋を配置する構造が一般的で、床面積は大体同じです。
対して半平屋は、1階部分に暮らしの中心となる空間を集約させ、2階スペースは必要最小限度に留めるため、床面積に差があります。

半平屋に住むメリット

CASE622 fit
半平屋の基本的な特徴が理解できたところで、ここからは、半平屋に住む以下のメリットを解説します。
・限られた土地でもほぼ平屋が建てられる
・家族のコミュニケーションが増える
・家族それぞれに個室を用意できる
・平屋で不足しがちな収納を確保できる
・家事動線が良い
・将来的には1階のみで生活することも可能
・外観に変化がつけられる
自分たちの生活スタイルや、マイホームの条件に適しているかを見ていきましょう。
限られた土地でもほぼ平屋が建てられる
半平屋のメリットとして、限られた土地であっても、平屋に近い暮らしを叶えやすいことが挙げられます。
一般的に、平屋を建てるには広い敷地が必要です。しかし、半平屋であれば、一部の部屋を2階に作り、生活の中心となる居住スペースをワンフロアにまとめることで、コンパクトな土地にも建てやすくなります。
特に、都心部に平屋を建てる場合は、土地代が高額になりやすく、条件の合う場所が見つかりにくいのも事実です。半平屋を選べば、土地選びの幅が広がり、理想のマイホームが手に入りやすくなるでしょう。
家族のコミュニケーションが増える
半平屋であれば、完全に階が分かれている2階建てよりも、お互いの気配を感じながら暮らせます。
半平屋は、1階をメインの生活スペースとして設計するのが一般的です。家族が顔を合わせる機会が増えるので、自然にコミュニケーションが取りやすくなり、家で過ごすときの安心感にもつながります。
家族それぞれに個室を用意できる
半平屋の場合は2階部分も活用できるため、子ども部屋や趣味部屋、書斎といったプライベートな時間を楽しむスペースも設けられます。
通常の平屋であれば、必要な部屋をワンフロアに収めなければならず、家族の人数によっては個室を確保できないケースもあります。半平屋を選び、1階を家族団らんのスペース、2階を各自のスペースにすれば、お互いに程よい距離感を維持できるでしょう。
平屋で不足しがちな収納を確保できる
ひとつの階で完結する平屋の場合は、生活に欠かせないスペースの優先順位が高くなり、収納場所が不足しがちです。半平屋であれば、1階にLDKや水回りを集約させても、2階部分やロフトに収納場所を作れます。
生活していると物が増えやすいですが、半平屋で収納スペースを十分に確保すれば、気持ちにもゆとりが生まれるでしょう。
家事動線が良い
生活の中心を1階にまとめることで、家の中での移動距離が少なくなり、家事の効率アップが図れます。洗面脱衣所や物干しスペース、クローゼットを1階に集約すれば、階段を行き来しなくて済み、洗濯動線が良くなるでしょう。
ひとつの家事を同じ階で完結するのが難しい場合でも、半平屋であれば、2階建てよりも上下階の移動距離を短くできます。
将来的には1階のみで生活することも可能
半平屋であれば、将来は平屋のように1階部分のみで生活することも可能です。子どもが成長するまでは、2階を子ども部屋や趣味のスペースとして活用し、子どもが自立したあとはワンフロアだけの生活に切り替えるなど、フレキシブルに対応できます。
歳を重ねると、階段を使っての上下階の移動が大変になる場合もありますが、半平屋であれば体に負担の少ない生活を送れるでしょう。
外観に変化がつけられる
半平屋は、外観にメリハリが生まれやすく、見た目が平たんになりにくいのも魅力です。個性を演出したい場合は、片流れ屋根や段違いの屋根を採用しても良いでしょう。
また、平屋より外観のデザインバリエーションが豊富なのも、家づくりにこだわりを持つ人にとって大きなメリットといえます。

半平屋に住むデメリット

CASE622 fit
半平屋には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
・バリアフリーではなくなる
・建築費用がかかる
・将来的には上階を使わなくなる可能性がある
家づくりで後悔しないためには、デメリットも理解した上で、自分たちのライフスタイルに合うかどうかを検討することが大切です。
バリアフリーではなくなる
半平屋は2階部分を持つため、完全にバリアフリーにはなりません。足腰に不安があり、階段を行き来する必要がない生活を送りたい場合は、ワンフロアで完結する、平屋のほうが適している場合もあります。
ただし、今すぐではなく、将来的にバリアフリーな暮らしを実現したいのであれば、半平屋を選んでも良いでしょう。
建築費用がかかる
半平屋は、1階部分を広く取る平屋の要素と、上階を追加する2階建ての要素の両方を含みます。そのため、平屋や2階建てと比較すると建築コストが高くなる可能性があります。
割高になりやすい理由は、以下の通りです。
・基礎工事や屋根工事の範囲が広くなるため、坪単価が高くなりやすい
・2階部分をもつことで建築費用が増加しやすい
・土地の条件によっては基礎工事や耐震対策などに費用がかかる場合がある
ただし、建築費用は建物の形状や間取りによるため、必ずしも半平屋が高くなるというわけではありません。家づくりの予算と暮らしやすさのバランスを考えながら、半平屋・平屋・2階建てのどれが適しているのかを検討してください。
将来的には上階を使わなくなる可能性がある
ライフスタイルの変化に伴って、将来的に2階部分が使われなくなることも考えられます。そんな時は、1階に作業スペースやメインクローゼットを設け、2階部分の個室をコンパクトにするといった工夫をすることで、2階部分を長期的に活用しやすくなります。
半平屋を選ぶのであれば、将来の家族構成や暮らし方も見据えて、間取りを考えることが大切です。

半平屋はどんな間取りが可能?実例でチェック
ここからは、実際に半平屋ではどのような間取りが可能なのかを、フリーダムアーキテクツの実例をもとに解説します。理想の暮らしをイメージしながら見ていきましょう。
2LDK
2LDKの半平屋は、限られた空間ながらも、工夫次第で幅広いニーズに対応可能です。実例ではランドリールームやパントリー、広めのテラスやスタディールームを設置して、ライフスタイルに合った間取りを実現しています。
寝室は2つのみですが、ゲストルームや収納スペース、趣味部屋など、必要に応じて幅広く活用できるロフトを設けました。用途を決めないスペースがあることで、ライフスタイルの変化に対応しやすく、心にもゆとりが生まれるでしょう。
3LDK
1階に、中庭を囲むLDKと6帖の和室、2つの寝室を配置した、3LDKの半平屋です。1階部分だけでも生活に必要な間取りを確保できています。
加えて、下の階の屋根部分を活用し、上階にルーフトップバルコニーを作りました。ルーフトップバルコニーは一般的なバルコニーやベランダよりも、スペースにゆとりがあるため、子どもの遊び場や家庭菜園、バーベキューなど、幅広く楽しめます。
4LDK
4LDKの半平屋は、十分な広さがあるため、間取りの工夫によって多様なニーズを満たせます。こちらの実例では、1階に3つの寝室と和室を設けることで、各自のプライベート空間を確保しました。吹き抜けを採用し、開放的な空間を実現しているのも特徴です。
各部屋に設けた収納に加えて、上階に納戸も設置しました。オフシーズンの家電や衣類といった使用頻度の低いものを収納できるので、暮らしの中心となる1階スペースにゆとりが生まれやすくなります。

おしゃれな半平屋の外観・内観実例
半平屋であれば、平屋や2階建てとは一味違った、個性を感じる住まいを実現可能です。ここからは、これまでにフリーダムアーキテクツが手掛けた、半平屋の外観や内観の実例を紹介します。
環境に調和する和の半平屋

CASE671 実りの平屋
周囲の景観を損なわないよう建物の高さを抑えつつ、縦の空間を活用して子ども部屋も確保した半平屋です。

CASE671 実りの平屋
縁側や吹き抜けを設けることで、外とのつながりや平屋らしい開放感が感じられるよう設計しました。
コンパクトな敷地を活かしたロフト付き平屋

CASE447 CASA Oltremare
限られた敷地を最大限に活かしたロフト付き平屋です。内部には大小2つの中庭と勾配天井を設け、伸びやかな空間を実現しました。

CASE447 CASA Oltremare
ロフトをセカンドリビングやフリースペースとして活用することで、コンパクトさを感じさせない、ゆとりある住まいになっています。
風が抜ける1.5階建ての家

CASE468 1.5階建ての家
ひな壇状の土地であることから、プライバシーの確保と採光の計画が課題でした。建物の高さを調節し、1.5階建てのような構造を採用しています。近隣からの視線が気にならない位置に中庭を設けて、開放感と通気性を高めました。
1.5階部分には、バルコニーや中庭といった外部と、ロフトや居室といった内部を組み合わせ、明るい空間を実現しています。

CASE468 1.5階建ての家
加えて、柱と梁でできているグリッドフレームを目立たせているのも特徴です。平屋や2階建てとは異なる、半平屋ならではのデザインが映える住宅に仕上がっています。
変化に富んだ景観が魅力の家

CASE698 「景の家」
風が吹くと植栽が揺れ、光が差し込むことで陰影が表れるように設計された、半平屋の住まいです。住宅自体はシンプルな間取りにすることで、ウッドテラスや中庭といった外部空間の豊かさが引き立ちます。

CASE698 「景の家」
LDKは2方向に設けた窓と、木目の梁が見える吹き抜けによって、外の自然と調和する、明るい空間に仕上げました。ロフト部分には作業スペースを設け、集中しやすい環境も確保しています。
暮らしにフィットする半平屋

CASE622 fit
街と暮らしにフィットするようコンパクトに設計した半平屋です。ロフトへとつながる片持ち階段は、壁付け棚のように、収納やディスプレイスペースとしても役立ちます。

CASE622 fit
琉球畳を採用したロフトには、吹き抜けに面するデスクスペースを設置しました。空間を有効活用できるだけでなく、1階にいる家族の気配を感じやすいメリットもあります。

半平屋で家族に合った住まいを実現
平屋に憧れがあるものの広い土地がなく、個室や収納が足りなくならないか心配な場合は、半平屋を選ぶのも方法です。一部の部屋を2階に作ることで、生活のメインとなるスペースをまとめられるので、敷地が限られていても建てられます。
家づくりで後悔しないためには、半平屋のメリットやデメリットを理解し、自分たちの暮らしに合った間取りを計画することが重要です。平屋住宅の建て方については、以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
注文住宅の「平屋住宅」特集
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半平屋についてのよくある質問
半平屋についてよくある質問に、フリーダムアーキテクツが回答します。
平屋と半平屋はどちらが高いですか?
平屋よりも半平屋のほうが建築費は高くなる傾向にあります。これは、同じ居住スペースを確保する場合でも、半平屋には階段や2階部分の外装工事といった追加コストが発生するためです。
ただし、同じ延べ床面積で比較すると、平屋は基礎や屋根の面積が大きくなる分、基礎工事費や屋根工事費が高くなります。したがって、半平屋と平屋のどちらが高いかは建物の規模や設計内容によって異なり、一概に半平屋のほうが高いとは言えません。
平屋はやめたほうがいい理由は何ですか?
平屋が「やめたほうがいい」と言われる理由としては、以下のような点が挙げられます。
・広い敷地が必要になる
・基礎や屋根が大きくなるため、同じ坪数の2階建てより建築費が高額になりやすい
・1階部分のみで構成されるため、セキュリティ面に不安がある
半平屋にも共通する部分はありますが、例えば基礎や屋根が大きくなることによる建築コストの増加は抑えられます。さらに、窓の位置や大きさを工夫すればセキュリティの課題も解決可能です。
このように、半平屋を選択することで平屋のデメリットを軽減しつつ、平屋に近い快適な暮らしを実現できます。
平屋ではなく半平屋にするメリットは何ですか?
平屋ではなく半平屋にすると、次のようなメリットがあります。
・平屋に比べて 敷地面積を抑えられる
・必要な部屋数や収納を確保しやすい
・吹き抜けなどを取り入れ、開放感のある間取りを実現しやすい
・外観に立体感が生まれ、デザイン性を高められる
このように、半平屋は平屋と2階建ての「いいとこ取り」ができる点が大きな魅力です。
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この記事を書いた人

フリーダムアーキテクツ
設計チーム
1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。