完全分離型の二世帯住宅が人気な理由とは? 費用や間取り実例を紹介 | 注文住宅なら建築設計事務所フリーダムアーキテクツ

完全分離型の二世帯住宅が人気な理由とは? 費用や間取り実例を紹介

カテゴリー:間取り

薪ストーブで温かみのある空間を演出した二世帯住宅のLDK

CASE635 三角屋根でつながる家

二世帯住宅は、完全同居型(共有型)と一部共有型(部分共有型)、完全分離型(独立型)の3種類に分かれます。完全分離型の二世帯住宅は、親世帯と子世帯の生活スペースがそれぞれ独立しており、プライベートを確保しつつ同居できる点が人気です。

しかし、完全分離型は広い土地が必要で建築コストもかかるため、費用面を含めしっかりとした計画が必要となります。

この記事はこんな人におすすめ

  • 完全分離型の二世帯住宅を検討している人
  • 二世帯住宅の建設に不安がある人

この記事でわかること

  • 完全分離型二世帯住宅のメリット・デメリット
  • 完全分離型二世帯住宅の費用や税制メリット
  • 完全分離型二世帯住宅の間取りと建築実例
二世帯住宅の実例も掲載

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完全分離型二世帯住宅とは

完全分離型二世帯住宅とは

完全分離型二世帯住宅とは、それぞれの世帯が暮らす住空間が完全に独立したタイプの住宅のことです。リビング、水回り、玄関など、家のあらゆる部分が別々になっている家と考えましょう。

独立性が高く、生活音の心配もあまりしなくてよいので、親世帯と子世帯のプライバシーを確保したい人に向いています。

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完全分離型二世帯住宅の間取りの種類

完全分離型二世帯住宅の間取りの種類

上下分離

上下分離とは、1階が親世帯、2階が子世帯というように、フロアを基準に分けるタイプの間取りを言います。

年齢が上がると階段の上り下りが大変になります。そのため、1階を親世帯にしておけば、階段の上り下りの負担が軽減でき、快適に暮らせるでしょう。急に体調を崩した場合も、病院への搬送がしやすいはずです。

ただし、2階を子世帯にする場合、足音や生活音が響きがちになる点が気になるかもしれません。床に防音性が高い素材を使うなど、家を建てる時点から工夫を講じましょう。もちろん「どたどた走らないようにする」などのルールを設け、気遣いを欠かさないのも大事です。

左右分離

一方、左右分離とは壁で世帯を分けるタイプの間取りを指します。細長い家が2つ、横に並んでいるのをイメージするとわかりやすいでしょう。

この間取りの場合、居住空間が左右に分かれるため、生活音が響きにくくなります。お互いに気を遣いすぎると疲れる、という人には向いているでしょう。また、何らかの事情により親世帯もしくは子世帯が住まなくなって空いた場合は、その部分を貸し出すことも可能です。

ただし、左右分離にした場合、親世帯も階段で上下階の移動をすることになります。そのため、親世帯が高齢になったり、介護が必要になったりした場合は、何らかの形で移動の負担を和らげなくてはいけません。エレベーターを設置するなどの対策が必要になる点にも注意しましょう。

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完全分離型二世帯住宅にするメリット

完全分離型二世帯住宅にするメリット

完全分離型の二世帯住宅には、以下のようなメリットがあります。

・お互いにストレスが少ない
・プライバシーを確保できる
・将来的にも活用しやすい
・水光熱費の支払いを明確にできる

完全分離型二世帯住宅は、二世帯住宅にありがちなデメリットを解消できる点が特徴です。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

お互いにストレスが少ない

二世帯住宅に暮らしていると、親世帯と子世帯の生活時間帯の違いからストレスを感じることも少なくありません。

完全分離型の二世帯住宅は、玄関や洗面所、お風呂といった生活に必要なスペースがそれぞれ独立しています。そのため、子世帯が深夜に帰宅したりシャワーを浴びたりしても、生活音が気になりにくい点がメリットです。

また、キッチンも完全に独立しているので、使い方や掃除の頻度が原因でトラブルになる心配もありません。

プライバシーを確保できる

二世帯住宅だと、夫と妻のどちらの両親と同居するかによって、片方が「義家族が家にいて落ち着かない」と感じてしまう可能性があります。

完全分離型の二世帯住宅であれば、どちらの両親と同居になったとしても、それぞれの世帯が独立した生活スペースを持てるので必要以上に気を使う必要はありません。マンションの隣人同士のようなほどよい距離感で、お互いのプライバシーを守って生活できる点は大きなメリットといえます。

将来的にも活用しやすい

完全分離型の二世帯住宅は、ライフステージに応じて使い方を柔軟に変えやすいというメリットもあります。

例えば、どちらかの世帯がいなくなったときに、知人や他人に貸して家賃収入を得ることが可能です。家賃収入を固定資産税やローンの支払いにあてれば、家計の助けにもなるでしょう。世代が変われば、子世帯と孫世帯で住むこともできます。

ただし、完全分離型は水回りなどが二世帯分あるので、片方が空いたまま暮らすと光熱費が高くなりやすい点に注意が必要です。

水光熱費の支払いを明確にできる

同居・共有型の二世帯住宅では、水光熱費の支払い方法を事前に話し合っておく必要があります。なんとなくで決めてしまうと、後々トラブルに発展しかねません。

その点、完全分離型の二世帯住宅は、生活が完全に分かれているため水光熱費の支払いを明 確にできる点がメリットです。電気料金は世帯ごとに個別契約できますし、ガスも希望すれば世帯別に契約可能です。水回りも、独立していればそれぞれで水道の契約ができるでしょう。

支払いを別にしていると税制面で優遇される可能性もあります。税制ついては後ほど詳しく解説します。

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完全分離型二世帯住宅にするデメリット

メリットが多い一方、完全分離型二世帯住宅には以下のようなデメリットもあります。

・建築費用が高くなる
・広い土地が必要になる
・関係性が疎遠になりやすい

それぞれの詳しい内容と、デメリットへの対策を見ていきましょう。

建築費用が高くなる

完全分離型の二世帯住宅は、玄関やキッチン、お風呂などの生活スペースをそれぞれの世帯で分けてつくるため、同居型や共有型に比べて建築費用が高くなるケースが多いです。

しかし、自治体の補助金や税制優遇をうまく活用することで、費用を抑えられる場合もあります。例えば二世帯住宅ではなく「二戸住宅」として扱われれば、住まいに対する補助金制度の支給対象となるかもしれません。

補助金や税制優遇制度はそれぞれの自治体によって内容が異なるため、お住まいの自治体に確認してみましょう。

広い土地が必要になる

完全分離型二世帯住宅には、水回りや玄関などの設備を含めた二世帯分の生活スペースが必要です。そのため建物の面積が大きくなり、それに伴い土地代も高くなる傾向があります。特に左右で住まいを分ける「左右分離型」は、広い土地が必要になるケースが多いです。

一方で、上下で生活スペースを分ける「上下分離型」の二世帯住宅の場合、3階建て以上にすることで、限られた土地でも完全分離型二世帯住宅を実現できます。

関係性が疎遠になりやすい

完全分離型の二世帯住宅は、生活空間がしっかりと分かれているので、お互いのプライバシーを守りやすい点がメリットです。

しかしその反面、関わりが少なくなり、世帯同士が疎遠になってしまうこともあります。せっかく二世帯住宅に住んでいるのに、顔を合わせる機会が減ってしまうのは寂しいものです。

そんな時は、中庭や共有テラスなど、自然と集まれる場所をつくるのがおすすめです。ちょっとした会話や交流が生まれ、ほどよい距離を保ちつつ安心して暮らせる関係を築くことができます。

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完全分離型二世帯住宅の間取り集

ここでは、フリーダムアーキテクツが手掛けた完全分離型二世帯住宅の間取り実例をご紹介します。実際の例を参考に、自分たちに最適な二世帯住宅をイメージしてみてください。

上下分離:水回りの位置をそろえて音の問題を軽減

上下分離:水回りの位置をそろえて音の問題を軽減1 上下分離:水回りの位置をそろえて音の問題を軽減2

1階に2つの玄関を設け、1階部分の居室を通らずに2階へ直接出入りできる横割りタイプの間取りです。玄関を分けると顔を合わせる頻度が減り、親世帯・子世帯ともにプライバシーが守られます。

横割りタイプでは上下階の生活音が問題になるケースがありますが、こちらの間取りではトイレや洗面台の位置を上下階でそろえることで、お互いの居室エリアに排水音が響かないよう工夫しました。また、テラスとバルコニーの位置をずらしており、洗濯物を干す際などにお互いの視線を避けられる点もメリットです。

さらに、玄関のひとつは和室に直結しており、必要に応じて親世帯と子世帯を繋ぐ空間として活用できます。例えば、子どもの出入りや介護が必要になった場合にも便利な間取りです。

上下分離:1階の寝室を最も音が気になりにくい場所に配置

上下分離:1階の寝室を最も音が気になりにくい場所に配置 上下分離:1階の寝室を最も音が気になりにくい場所に配置2

1階が親世帯、2階が子世帯の上下分離型の二世帯住宅です。

二世帯住宅のストレスの多くは、親世帯と子世帯の生活時間帯の違いからくると言われています。こちらの住まいは、親世帯の寝室の真上に子世帯のクローゼットと寝室を配置し、音の問題に配慮。お風呂やトイレの場所を1階と2階でそろえ、生活音が気にならないよう工夫しました。

また、2階のリビングの下に玄関ホールを設置し、小さなお子さんが走り回っても1階の親世帯が気にならないような間取りになっています。

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左右分離:通路を挟んで左右に独立した住居を建築

左右分離:通路を挟んで左右に独立した住居を建築1 左右分離:通路を挟んで左右に独立した住居を建築2

こちらは、左右に独立した住居を通路で分けた、縦割りタイプの間取りです。玄関の位置を少しずらすことで、出入りの際に正面から鉢合わせたり家の中が見えたりしないよう工夫しています。

親世帯はコンパクトな平屋、子世帯は2階建てで、2階には将来的に分割可能な子ども部屋や主寝室を設置。子世帯側の玄関は親世帯と向き合う位置にありますが、反対側にポーチを設けているため、親世帯の視線を気にせずくつろげるスペースを確保しています。

子世帯の1階部分はスペースが限られますが、水回りを2階に配置することで広いLDKやライブラリースペースを実現しました。さらに吹き抜けを取り入れているため、開放感とデザイン性に優れたメリハリのある間取りになっています。

左右分離:狭小地を活用したエレベーター付きの4階建て

左右分離:狭小地を活用したエレベーター付きの4階建て 左右分離:狭小地を活用したエレベーター付きの4階建て2 左右分離:狭小地を活用したエレベーター付きの4階建て3 左右分離:狭小地を活用したエレベーター付きの4階建て4

エレベーター付きの4階建てにすることで、広い土地が必要という完全分離型二世帯住宅のデメリットを解消した間取りの実例です。

建物の右半分が親世帯、ガレージのある左半分が子世帯で、エレベーターで4階まで上がれる構造になっています。左右分離型のため、親世帯の寝室は親世帯のリビングの下にあります。1階と2階で世帯同士の生活音が気にならない点もメリットです。

二世帯住宅でありながら縦のスペースを活かし、子世帯はビルドインガレージや書斎、広いバルコニーを実現しました。

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平屋で完全分離型の二世帯住宅は可能?

家族のコミュニケーションの場となる縁側を設けた平屋

CASE671 実りの平屋

近年人気の平屋でも、完全分離型の二世帯住宅をつくることは十分可能です。平屋の場合、親世帯と子世帯の住居を左右に隣り合わせて配置する上下分離の間取りが一般的です。玄関を2つ設け、行き来する際には一度外に出るか、中庭を通るプランが多く採用されています。

平屋の大きな特徴は、階段を必要としない完全なバリアフリー設計が可能な点です。高齢者にとって安全で暮らしやすいのはもちろん、子育て世帯も快適に暮らせます。また、平屋は構造的に安定しており、耐震性に優れている点も安心感を高めるポイントです。

さらに、完全分離型でも中庭や共有スペースを設けるなど、世帯間でコミュニケーションを取りやすくする工夫は可能です。こうした設計により、平屋でも家族全員が快適に暮らせる二世帯住宅を実現できます。

平屋の二世帯住宅の間取りについてはこちらの記事で解説しています。
平屋の二世帯住宅に住む!間取りの考え方や必要な坪数の目安は?

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賃貸やリフォームで完全分離型の二世帯住宅にできる?

完全分離型の二世帯住宅は、賃貸ではほとんど見つからないのが現状です。また、中古の二世帯住宅は市場にあまり出回らず、特に完全分離型となるとさらに選択肢が限られます。

二世帯住宅が建売住宅として販売されることも少ないため、二世帯住宅に住みたい場合は注文住宅として新たに建てるのが一般的です。

中古住宅をリフォームして完全分離型二世帯住宅にすることも可能ですが、水回りの増設など大がかりな工事になる場合が多く、その分費用もかさみます。中古にこだわって探していると、なかなか理想の住まいに出会えないこともありえます。

完全分離型の二世帯住宅は、やはり注文住宅で建てるのが最も現実的で満足度の高い選択といえるでしょう。

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完全分離型二世帯住宅に必要な坪数

完全分離型の二世帯住宅を建てる場合、一般的には40坪以上の広さが目安とされています。また、50坪以上あれば吹き抜けやビルドインガレージといったこだわりを実現しやすくなるでしょう。

横割りタイプを採用すれば、土地の広さが限られる場合でも完全分離型の建築が可能です。また、3階建てにして1階を親世帯、2・3階を子世帯とするケースも少なくありません。

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完全分離型二世帯住宅の予算相場・価格・費用

完全分離型二世帯住宅の予算相場・価格・費用

完全分離型の坪単価は約85万~150万円程度です。平均坪数が50~60坪程度のため、仮に50坪の完全分離型二世帯住宅を建てると考えてみましょう。

この場合、少なく見積もっても約4,250万~5,100万円はかかります。実際の価格はエリアや担当するハウスメーカーによって異なりますが、単世帯住宅に比べるとかなり高めです。すでに触れた通り、実態は小さな一戸建てを2つ建てるのに近いため、費用もかかります。

「二世帯住宅の価格」については、以下の記事で詳しく解説しているため、併せて参考にしてください。
注文住宅の「二世帯住宅の価格」特集

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完全分離型二世帯住宅の税制優遇

完全分離型の二世帯住宅は、他のタイプと比べて多くの税制優遇を受けられる点が魅力です。ただし、各世帯に専用の玄関・キッチン・トイレが設置されており、廊下などを鍵付きの扉で仕切るなど「独立して生活できる」ことが条件となるため、事前に間取りを検討しておく必要があります。

ここでは、完全分離型二世帯住宅はどのような税制優遇が受けられるのか、具体的に見ていきましょう。

不動産取得税

50〜240㎡の家屋を新築した場合、不動産取得税の控除額は一世帯あたり1,200万円(長期優良住宅では1,300万円)です。完全分離型二世帯住宅の場合は各世帯にこの控除が適用されるため、控除額は合計で2,400万~2,600万円となり、大幅な節税効果が期待できます。

固定資産税

新築の建物における固定資産税は、3年間(長期優良住宅では5年間)にわたり一世帯あたり120㎡まで半額に軽減されます。二世帯住宅の場合、この軽減措置は合計240㎡まで適用されるため、完全分離型であれば優遇の恩恵をより大きく受けられるのがメリットです。

住宅ローン控除

完全分離型二世帯住宅では、区分登記や共有登記が認められる場合、それぞれの世帯で住宅ローン控除を利用できます。これにより親世帯と子世帯ともに借入金の年末残高に応じた所得税控除を受けられ、ローン返済の負担を軽減することが可能です。

相続税

二世帯住宅で同居している場合、「小規模宅地の特例」によって相続時に330㎡までの土地評価額を最大80%まで減額できます。ただし、建物が区分所有登記されていると特例が適用されない可能性があるため、相続税のことも考慮しながら登記の種類を慎重に検討しましょう。

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「完全分離型二世帯住宅」で人気の建築実例

CASE677 中庭が繋ぐ家族の気配

2つの玄関を持つ角地に建てられた二世帯住宅の外観
キッチンとダイニング、リビングを一直線に並べたことで広く感じさせるLDK
家族のくつろぎの場となっている小上がりの畳スペース

CASE677 中庭が繋ぐ家族の気配

上下階で分けた完全分離型の二世帯住宅です。内部に中庭を設け、大開口を多く設けた解放感のある構造になっています。お互いの家族のプライバシーも確保しつつ、コミュニケーションも取りやすいのが特徴でしょう。

CASE523 くのじのいえ

1階に親世帯、2階に賃貸スペース、3階に子世帯を配置した二世帯住宅の外観
吹き抜けにロフトを設けた開放的なLDK
明るいカラーの木を多用したナチュラルな雰囲気のLDK

CASE523 くのじのいえ

都内の変形敷地に建ち、名前の通り「くの字型」の間取りが採用されています。1階に親世帯、2階に賃貸スペース、3階に子世帯を配置した、完全分離型二世帯住宅かつ賃貸併用住宅という珍しいパターンの実例です。

CASE635 三角屋根でつながる家

三角屋根でつながれた白い二世帯住宅の外観
キッチンとダイニングを横に並べることで家事動線を良くしたダイニング

CASE635 三角屋根でつながる家

縦割り型の間取りを採用した完全分離型二世帯住宅です。独立して設計されているので、生活音も気になりません。一方で、物干し場は各世帯で共有するなど親世帯・子世帯の交流を活発にするための工夫も取り入れられています。

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完全分離型二世帯住宅を検討するときの注意点

完全分離型二世帯住宅を検討するときの注意点

完全分離型二世帯住宅を検討する際にはさまざまな注意点があります。特に留意したいのが「間取り」です。5つ紹介します。

完全分離型以外の選択肢も検討する

間取りを考える際は、完全分離型以外の選択肢も検討する必要があります。二世帯住宅自体が、1つの住宅に二世帯分の部屋や設備を設ける構造になるため、居住スペースを広く取るには相応の広さの土地がないと難しいためです。

土地の広さに応じ「玄関だけが共有で、あとは別々」も視野に入れて、最適な間取りを考えましょう。

親世帯・子世帯それぞれに必要な広さを確保する

親世帯・子世帯それぞれに必要な広さを確保することも重要です。一般的には、親世帯よりも子世帯のほうが広い間取りになることが多いでしょう。

しかし、世帯人数によって必要な広さは異なります。例えば、親世帯は両親2人だけであっても、子世帯に子どもが複数いる場合、親世帯よりも広くしないと生活するうえで不自由が生じがちです。「どれぐらいの広さならお互い快適に暮らせるか」を踏まえ、話し合いをしましょう。

程よいコミュニケーションが取れる工夫をする

程よいコミュニケーションが取れるよう工夫をするのも重要です。二世帯住宅であっても、プライバシーに配慮した構造にするのが望ましいですが、お互いが没交渉状態になってしまえば別々の家で暮らしているのと変わりません。

完全な没交渉状態に陥らないためにも、庭をゆるやかにつなげたり、共有スペースを設けるなど構造に工夫を凝らしましょう。週に数回は一緒に食事をとる習慣を取り入れるのも有効です。

視線が気にならないように配慮する

完全分離型の二世帯住宅を建てる際は、視線が気にならないように配慮することも重要です。中庭から別世帯の部屋が見えるなど、お互いの視線が合う部分があると、それだけで居心地の悪さを感じる原因になりえます。

親世帯・子世帯ともども快適に暮らすためにも、多様なケースを想定し、窓やドアの位置を決めなくてはいけません。例えば、玄関のアプローチはそれぞれの世帯が顔を合わせない位置に定めるのが前提になるでしょう。

光熱費やランニングコストの支払いを考えておく

光熱費やランニングコストの支払いを考えておくのも、お互いが快適に暮らすためには欠かせません。家を建てる段階で電気・ガス・水道・電話といったインフラは、本来であれば分離して設置するのが望ましいです。

ただし、この場合設置費用や基本料金が個別にかかるため、コストも跳ね上がります。分離して設置するか、分離しない場合は、親世帯と子世帯とでどう費用を負担するかについて、事前の話し合いが必須です。

将来の介護の可能性も見据えて計画する

二世帯住宅での生活を始めた当初は、お互いに元気な場合が多いものの、将来的には親世帯の介護が必要になる可能性を考慮しておかなければなりません。特に完全分離型では生活空間が分かれているため、日常的な介護のサポートが難しくなるケースがあります。そのため、事前にバリアフリーを意識した間取りを検討しましょう。

具体的には、車いすの利用を考慮して通路やドア、トイレに十分な幅を確保したり、完全分離型でも玄関を介さずに行き来できる連絡通路を設けたりすることで、将来の介護負担を軽減できます。

また、将来的に子世帯が独立した際には、完全分離型の特性を活かし、賃貸として貸し出すなどの活用方法も視野に入れておくと良いでしょう。介護だけでなく、その後の暮らしの変化にも柔軟に対応できる間取りを計画しておくと安心です。

建築コストが高くなり過ぎないように注意する

完全分離型の二世帯住宅は、同居型や一部供用型と比較して建築コストが高くなる傾向にあります。さらに、こだわりのポイントが多いと予算を大幅にオーバーしてしまうケースもあるでしょう。そのため、家族の生活スタイルや将来の支出も考慮し、コスト配分を慎重に検討する必要があります。

例えば、プライバシーの確保を優先する場合と、子どもの教育費や他の生活費に資金を回す場合では、実現できる間取りや設備が変わってきます。費用面での優先順位を明確にし、後悔のない住まいづくりを目指しましょう。

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完全分離型の二世帯住宅をおしゃれな空間にするコツ

完全分離型の二世帯住宅をおしゃれな空間にするコツ

完全分離型二世帯住宅のメリットの1つに、それぞれの世帯の好みに合わせたデザインを取り入れられることが挙げられます。例えば、親世帯の部屋は和モダンテイスト、子世帯の部屋はナチュラルテイストにするなど、好みに応じて決めて構いません。

ただし、一点注意すべき点があります。外観のデザインは親世帯と子世帯とで分けるわけにいかないので、事前に話し合いをし、意見を取りまとめておきましょう。二世帯住宅は単世帯住宅に比べると大きなシルエットになるため、それを活かした迫力のある外観にすることもできます。

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注文住宅における完全分離型二世帯住宅の間取りはフリーダムアーキテクツにご相談ください

完全分離型二世帯住宅を建てる際は、二世帯分の居住スペースが必要になります。限られた土地の中で居住性を高めるには、間取りを工夫しなくてはいけません。これまでにまったく完全分離型二世帯住宅の施工を手掛けたことがない工務店では、対応が難しい部分もあります。

フリーダムアーキテクツでは、これまでにたくさんの二世帯住宅を手掛けてきました。豊富な実例や知識をもとに、敷地や家族の希望にあった間取りを提案することが可能です。

「二世帯住宅を建てたいけど、何から始めればいいかわからない」という場合も、まずはご相談ください。注文住宅における完全分離型二世帯住宅の間取りについてのお悩みがございましたら、フリーダムアーキテクツが解決いたします。

✓ 間取り・レイアウトのこと
✓ お金・予算のこと
✓ 優先順位のこと
✓ 他の家族との意見のズレのこと
✓ スペースや土地のこと

また、「二世帯住宅(三世帯住宅)」の建築実例は以下をご参照ください。
「二世帯住宅(三世帯住宅)」の建築実例

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注文住宅における完全分離型二世帯住宅の間取りについてのよくある質問

完全分離型二世帯住宅は売却できる?

売却可能です。親世帯が亡くなったり、転勤や介護施設への入所など何らかの事情があったりして、一緒に暮らせなくなる可能性はゼロではありません。その場合、親世帯(子世帯)が住んでいた部分は空いてしまいます。

しかし、完全分離型二世帯住宅であれば空いてしまった部分を賃貸に出すことができます。さらに、二世帯住宅としてではなく賃貸併用住宅として購入したい客層も見込めるため、売却しやすくなります。これは、完全同居型(共有型)、一部共有型(部分共有型)の二世帯住宅にはない強みの1つでしょう。

完全分離型二世帯住宅の間取りでの失敗例は?

ありがちな失敗例として「上の階に子世帯のリビング、下の階に親世帯の寝室を作ってしまい、足音が気になった」が挙げられます。また「家族分の部屋数を確保するために収納を削ったことで、物があふれてしまう」という失敗例も考えられます。

これらは、収納スペースの確保や上下階の干渉を事前に検討しなかったがゆえの失敗です。事前によく検討しましょう。

完全分離型の二世帯住宅の登記はどうするべき?

登記方法によっては相続税の優遇措置が受けられなくなる場合があるため、注意してください。

二世帯住宅では、通常「小規模宅地の特例」によって、相続する土地や建物の評価額を最大80%減額することが可能です。しかし、建物が区分所有登記されていると特例の適用外となる可能性があります。

例えば、土地と建物の1階を親名義、2階を子名義として区分所有登記した場合、「同居」とみなされず特例が受けられないケースがあります。そのため、登記の際は、区分所有でなく共有名義や親の単独名義にするなど、特例の適用条件を満たす方法を選びましょう。

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この記事を書いた人

長谷川 稔

フリーダムアーキテクツ
設計チーム

1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。

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