インタビュー
江戸時代から続く藍染物の伝統工芸品など、昔ながらの文化が息づく緑豊かな街。最寄り駅を出ると、旧住宅街の落ち着いた街並みが広がるエリアです。
「家づくりのきっかけは、娘が就学する前に私(奥様)の実家がある街で住まいを構えようと思ったことです。もともと、いつかは家が欲しいねと話しており、共働きのため何かあった時に両親に頼れる環境にしたいと思っていたことから、この街にすることは決めていました。」
お子様の成長と共に広くなる行動範囲や、帰宅時間の変動。目が離せない期間が続きますが、仕事を抱えながら、お子様の生活リズムの変化に全てを合わせていくことは難しいと感じておられる方も多いのではないでしょうか?五十嵐さんもその一人でした。そこで、ご実家のある街に家づくりをすることを決めておられたそうです。
「土地探しを始めた当初は、実家近くとは限定せずに探していました。実家に行った際に、空き土地を見つけては情報を調べるなどしながら、10件ほどの土地を見学しました。最終的に実家から近く価格を抑えられる変形地と、駅まで近く実家と同じ学校区のこの土地の2件で迷いましたね。どちらも重視していた土地の広さと静かな環境があり、決めることができなかったので二人でじゃんけんをして、駅まで近いこの土地を購入することにしました。実家までは徒歩で15分程かかりますが、ちょうどよい散歩コースにもなるので、駅まで近いこの土地で良かったと感じています。」
1件の理想とする土地に巡り合うことも、なかなか難しいこと。そんな中お二人は、理想の土地に2件も出会い、話し合いでは決めかねておられたそうです。そこで、ご主人様が勝てば変形地の方を、奥様が勝てば今の土地にすると“じゃんけん“で決められたそうです。この話には驚きましたが、お二人が当時を楽しそうに振り返られる姿に満足度の高さを感じられます。
「この土地の購入を決断したことまでは良かったのですが、隣地のブロック塀が越境しているトラブルを解消させないといけないことがわかりました。また、隣地では土地の相続によって持ち主の変更もされていたのですが、フリーダムの土地担当さんが迅速に動いてくれました。共働きで限られた時間の中でしていた家づくりでしたので、スムーズに対応してくださったことにとても感謝しています。」
土地の購入には、目視で確認がしやすい越境問題の他、地中埋設物や軟弱地盤など様々なリスクがあります。しかし、多くの方にとって土地や家の購入は生涯で一度のこと。初めてのことで慣れない中、土地購入とトラブル解消に向けてのサポートに安心して家づくりを進めていただけたご様子です。
「住宅会社は、住宅設備が充実しているハウスメーカーさんと、木の温もりが魅力のハウスメーカーさん、フリーダムさんの3社で迷いました。どの会社さんもそれぞれの魅力を感じていましたが、フリーダムさんの過去実例のカッコよさと、始めに提案頂いたプランが今までに見たことがない建物形状だったことに惹かれ決めました。」
当時の提案は、購入するか迷われていた変形地でのプラン。土地の形に沿ったような“くの字型”でしたが、プランの内容にはご満足いただいており、その後購入された土地と比較しても遜色ない印象をお持ちでした。
「家のイメージづくりは、住宅作品集のような本と、住宅紹介番組を参考にしていました。階段の手すりに照明を入れる案は、本を参考に取り入れています。夜などにスイッチを入れると、雰囲気が出ていいですよ。その他には、自然を住まいに取り入れたような空間やコンクリート打ち放しの雰囲気も、本の通りではないですが取り入れました。」
当時参考にされていたという本には、今も付箋を付けられたまま保存し大切に保管されています。
「叶えたかったことは、土間と無垢板を使った内部とスクエアなフォルムの外観と外からの視線を遮る塀です。子供の頃に友人宅にあった土間空間で、天気のよくない日でも楽しく遊んでいた思い出があり取り入れたいと思っていました。間取り決めでは、対面型のキッチンと子供部屋を仕切っておくこと、和室・吹抜けのある空間を重視していました。賃貸に住んでいた時に、壁付けキッチンで子どもの様子が見えない状態でしたので、対面キッチンは絶対に採用したいと考えていました。」
子育て世代の家づくりでは、お子様が家の中で過ごしてほしいイメージに合わせた工夫を子供部屋やリビングなど他の空間に設けられることが多くあります。五十嵐さん邸では、吹抜けに面して子供部屋に窓を設けられています。設計期間当時にどのような暮らしのイメージを持たれていたのか伺ってみました。
「子供部屋を閉鎖的な空間にはしたくないと考えていました。吹抜けに面して窓を設ける案は担当者さんに頂いたものですが、子供がもう少し大きくなって友人が遊びに来ている空気感がわかりますし、電気がついているかが見えるので安心できると思い採用しました。」
閉ざされた空間でもなく、オープン過ぎない距離感をリビングとの間に設け、お子様が家のどこで過ごしているのか気配を感じやすい工夫をされています。
「内部空間で叶えたかった土間空間は、LDKと浴室・洗面室に隣接して設けました。庭にも面していますので室内干しをしても1日で乾きますし、水回りが近くに固めてあるので短い直線の家事動線で完結します。LDKに隣接はしていますが、ガスファンヒーターを取り入れたので底冷えが気になることもなく、とても快適に過ごせています。」
外部からの視線を気にすることなく過ごせる庭に面して、大開口を多く設けられたことで冬の寒い時期でも、暖かい陽射しで室内が温められガスファンヒーター以外の暖房器具はほとんど使われていないそうです。
「外観でこだわったことは、スクエアなフォルムとガルバリウム鋼板の外壁、私の身長よりも高いRC塀です。ガルバリウム鋼板はフリーダムさんの実例を見て、かっこいいと思っていたので採用をしました。色は、二人が好きな紺にすることは迷わなかったのですが、色のトーンで迷いましたね。数パターンを見比べて、担当者さんからのオススメもあり今の色に決めました。RC塀は、通行人の目線を完全に遮り、敷地内のプライベート性を高めることで、子供たちがのびのび遊べるだけでなく、私自身もゆったりと寛げる外部空間にしたいと考えていたからです。」
スクエアなフォサードに、ご主人様こだわりのRC塀がアクセントになったスタイリッシュな外観。外部からはRC塀に囲まれた閉鎖的な印象もありますが、内部からは庭に向かって視線が抜けていく開放的なデザインにされています。内外の空間づくりは比較的スムーズにされている印象の五十嵐さん。迷われたことや、印象的だったことを伺ってみました。
「迷ったのは、リビングの照明です。ダウンライトでスッキリとした空間にしたいと考えていましたが、吹抜けのあるリビングも天井にダウンライトを付けると光が十分に届かず暗い空間になります。そこで、担当者さんに相談を重ね化粧梁にダウンライトを設けることにしました。印象的に残っている思い出は、減額調整です。設計期間が始まるときに、好きなものをまずは全部入れてみようと考えて、多くの要望を詰めていきました。結果、工事見積では大幅に予算を超えていることがわかり、優先順位を決めていくのがつらかったです。」
打ち合わせが進むごとにイメージが具体的になり要望が増え、請負契約前に金額調整をされる方は多くおられます。夢を膨らませた後で、優先順位を付けることや代替案の検討を重ねるのは大変な作業ではありますが、叶えたい暮らしのイメージを振り返り整理をすることで、理想の住まいに近づけていける家づくりの方法のひとつです。そうして完成した五十嵐さん邸。お引き渡しから2年経過し、取り入れて良かったことやお気に入りの空間はどこなんでしょうか?
「取り入れて良かったことは、回遊動線とスタディスペース、リビングの大きなFIX窓です。回遊動線は、玄関・キッチン・リビングと回遊出来るため、買い物をした帰宅後にキッチンへすぐ行けるのが楽で助かっています。スタディスペースは、リビングの階段した空間を活用しています。友人からも“この空間の使い方いいね!”と褒めてもらえることが多いですね。お気に入りは、吹抜けに設けた窓です。隣の神社の御神木が見えて、アニメの世界観のような雰囲気があり眺めるのが好きですね。」
ご家族の暮らしとお子様の成長を見守ってくれている御神木が、暮らしにやすらぎをもたらせてくれているようです。最後に、ご主人様がお手入れをされている庭での過ごし方や、手を加えながらの住み心地を伺ってみました。
「芝生は手入れが大変とよく言われますが、春先に肥料をやり、良く成長する夏場に月1回程度位で刈るくらいです。後は、雑草が生えているのを見かけたら抜いています。緑の絨毯のようで、とても気持ちいいですよ。他は、木材のウッドデッキにしたので、年に2回ほど塗装をし直すことをしていますが、楽しみながら過ごせています。普段から子供と庭で遊んだり、キャンプ用の椅子やテーブルを出してコーヒータイムを楽しんでいます。」
住み心地は、「不便に感じることはなく、これ作ってもらって良かったと思うことが多い」と、豊かに設けられた外部空間や暮らしのイメージを追求した内部空間と、完成宅での暮らしを満喫していただけているご様子です。 広い敷地に包まれたご家族だけの心豊かな時間を育む住まいで、笑顔の絶えない暮らしを築いていきます。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。