
CASE639 Wall Side
コの字型の中庭は一方向に開口部を設けるため、プライバシーを確保しながら開放感を生み出せます。設計を工夫しないと「特別な設計が必要で予算をオーバーした」と後悔される方も少なくありません。
そこで、この記事では、中庭のある家を含めデザイン住宅設計の累積実績が約4,000棟以上のフリーダムアーキテクツが、コの字型の中庭にするメリットやデメリットと対策、設計時のポイントについて解説します。
この記事はこんな人におすすめ
- コの字型の中庭をつくる魅力と注意点を把握しておきたい方
- コの字型の中庭のある家づくりで後悔しないために、設計時のポイントを知りたい方
この記事でわかること
- コの字型の中庭の魅力は、外部とのつながりを保ちながら家族のプライバシーを確保できること
- コの字型の中庭で失敗しないためには、使用目的に合った広さや動線を確保すること
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目次
コの字型の中庭とは?
中庭はコの字型の他にも、ロの字型やL字型があります。コの字型の特徴をより理解するために、ロの字型とL字型との違いも合わせて確認しておくことが大切です。ここではコの字型の中庭の特徴とロの字型、L字型との相違点を見ていきましょう。
コの字型の中庭の特徴
コの字型の中庭は3方向が建物の壁と面し、一方向に開口部のある形状の庭です。建物の壁に隣接することで家族のプライバシーを確保できます。
また、開口部は中庭と外部を完全に遮断せずに、ゆるやかなつながりを保つことが可能です。中庭をテラスにして室内とフラットにつながることで、バーベキューや物干しなどに利用できます。



ロの字・L字との違い
中庭の主な種類はコの字型、ロの字型、L字型の3タイプがあります。
ロの字型は4方向を建物の壁に囲われており、完全なプライベート空間をつくれますが、中庭の出入りは室内からのみに限られます。L字型はコの字型やロの字型と比べても低コストでつくることが可能です。ただし、開口部が広くプライバシーを守りにくいことが難点といえるでしょう。
そのため、中庭をつくるなら、ロの字型とL字型のデメリットを補うことができるコの字型がおすすめです。
▼ロの字



▼L字



コの字型の中庭を採用するメリット
コの字型の中庭はロの字型とL字型の両方のデメリットをカバーし、程よくプライバシーを確保しつつも、開放感を持たせることができます。中庭をコの字型にする主なメリットは以下の4つです。
・採光・通風を確保しやすい
・外からの視線を遮りながら開放感を得られる
・家族の気配を感じやすい
・デザインで個性を出しやすい
採光・通風を確保しやすい
コの字型の中庭は開口部から日差しや風が入りやすい特徴があります。中庭に面した3面の壁に大開口の窓を設けることで3方向から室内の採光と通風を確保でき、明るく風通しのよい空間をつくれます。
一般的に、住宅密集地は採光と通風の確保が難しいとされていますが、コの字型の中庭であれば設計次第で問題を解決できるでしょう。
外からの視線を遮りながら開放感を得られる
コの字型の中庭は3方向が建物の壁に面しており、外からの視線を遮ることができます。さらに、外の視線を気にする必要がないため、プライベートな空間でもカーテンを開けたまま過ごすことが可能です。
コの字型の中庭とリビングをフラットにつなげればリビングと一体感が増し、より開放感のある空間に仕上がります。
家族の気配を感じやすい
コの字型の中庭は家族の寝室をゆるくつなげる空間としての役割も果たすため、中庭にいても家族の気配を感じられます。中庭を介して各部屋と行き来できるうえに、カーテンを開けていれば別々の空間にいても顔を合わせることができます。
また、各部屋から中庭に出入り可能な間取りにすれば、回遊動線を確保することも可能です。
デザインで個性を出しやすい
コの字型の中庭は、おしゃれで個性のある住宅を実現するのにおすすめの庭です。コの字の形状によって視覚的に奥行きが出るため、四角形の住宅には出せないおしゃれな雰囲気を生み出します。外壁や屋根は設計次第で印象を大きく変えることができます。
特にコの字型は外壁や屋根の選択肢が増えるため、個性を出しやすいでしょう。

コの字型の中庭のデメリットと対策

コの字型の中庭のメリットだけを重視してつくるのではなく、デメリットも含めて総合的な判断が必要です。ここでは、コの字型の中庭のデメリットと対策を解説します。コの字型の中庭にする主なデメリットは以下の4つです。
・動線が長くなることがある
・冬は寒さを感じやすい
・雨風が吹き込みやすい
・建築コストが上がりやすい
動線が長くなることがある
コの字型の中庭は、建物の端から端までの距離が長くなる傾向があります。例えば、中庭の迂回が必要な動線設計にすると生活動線や家事動線が長くなり、部屋から部屋への移動や家事がしにくいと感じやすいでしょう。
そのため、コの字型の中庭をつくる場合はリビングを中心とした部屋の配置をし、動線を短くすることが大切です。
冬は寒さを感じやすい
コの字型の中庭をつくる場合は採光と通風目的で中庭側に窓を設置するため、冬は窓から冷気が入り、寒さを感じやすくなります。ただし、高断熱による対策をすれば、暖かい冬を過ごせます。
特に冷気は窓のサッシやガラスから入りやすく、床が冷える傾向があるため、高断熱サッシや床暖房システムを取り入れるとよいでしょう。
雨風が吹き込みやすい
コの字型の中庭は開口部から雨風が吹き込みやすく、水はけが悪くなる傾向があります。水はけが悪いと湿気が高くなってカビやコケが発生しやすく、日常の掃除やメンテナンスに手間がかかります。
そのため、中庭の設計時に排水対策も合わせて行うことが大切です。排水対策には、掃除のしやすいタイルを選んだり、排水設備を設置したりしましょう。
建築コストが上がりやすい
コの字型の中庭をつくる場合は、建築コストが高くなる傾向があります。一般的な住宅よりも外壁面積が増えるため、より多くの建材やサッシが必要です。また、広い中庭をつくる場合は中庭と住居スペースを合わせた広い敷地が必要になり、土地代も高くなります。
建築コストの増加による予算オーバーを避けるには、専門家に相談することが大切です。

コの字型の中庭で失敗しない設計ポイント

コの字型の中庭をつくって後悔しないためには、設計の段階で気をつける必要があります。コの字型の中庭の設計で失敗しないための主なポイントは、以下の6つです。
・中庭の広さは目的から決める
・動線を意識した間取りにする
・日当たり、風通しを確保する
・断熱性を高める
・排水対策を講じる
・プライバシーを確保する
中庭の広さは目的から決める
コの字型の中庭は利用目的で広さを決めることが大切です。例えば、採光と通風を確保する目的で中庭をつくる場合は3~4帖あれば十分でしょう。3~4帖の広さなら、小さなテーブルを置けるため、家族でバーベキューを楽しんだり、セカンドリビングとして利用したりできます。
子ども用のプールを置きたい場合は、最低でも5~6帖は確保しましょう。
動線を意識した間取りにする
コの字型の中庭のある家は動線が長くなりやすいため、動線を短くする工夫が必要です。例えば、水回りを1つにまとめ、ランドリーや物干し、ウォークインクローゼットなどの家事で使用する空間を隣接させて家事動線の効率化を図りましょう。
また、LDKを家の中央に配置し、各部屋に直接出入りできる間取りにすれば移動距離を短縮できます。
日当たり、風通しを確保する
コの字型の中庭をつくる場合は、採光と通風を確保しやすい配置にすることが大切です。ただし、家の向きで暮らしの快適性は大きく変わります。一般的に、年間を通して光を取り入れやすい南向きに中庭の開口部を配置する傾向があります。
また、朝の光で目覚める寝室にしたい、西日を避けたいという場合は、中庭の開口部を東向きにするとよいでしょう。
断熱性を高める
室内の採光と通風を確保するためには、コの字型の中庭に面した壁に大きな開口部や窓を設置する傾向があります。開口部が増えると外気の影響を受けやすく、住宅の断熱性を高めることが大切です。
具体的な対策としては、空気層のある複層ガラスの窓や熱伝導率の低い樹脂製のフレームなどを取り入れるとよいでしょう。
排水対策を講じる
コの字型の中庭は開口部が一方向のみとなるため、雨風の影響で水はけが悪くなりやすいため、排水対策が欠かせません。コンクリートの床にする場合は床に傾斜をつける、水はけのよい砂利を敷く、排水管を備え付けるなど、雨水が溜まりにくい対策を検討しましょう。
また、中庭をウッドデッキにする場合は腐食しにくい樹脂製を選ぶことをおすすめします。
プライバシーを確保する
中庭の開口部側に隣家や道路がある場合は、プライバシー確保のために外からの視線を遮る工夫が必要です。例えば、中庭に樹木を植栽する、塀やルーバーを設置するなどの対策が挙げられます。
ただし、目隠しが家のデザイン性を損なっては元も子もありません。デザイン性を持たせながら、プライバシーを守れる施策を検討しましょう。

コの字型中庭の建築実例
個性のあるコの字型の中庭はおしゃれな印象を与えてくれます。とはいえ「具体的なアイデアが浮かばない」というご相談を受けることも少なくありません。
そこで、フリーダムアーキテクツがデザイン設計を手掛けた建築実例を紹介します。
実例①外部とのつながりを感じられる家

CASE747 濃漆喰の家
コの字型の中庭は大きく分けて、タイル張りの床と芝生の2つの空間に分かれています。
タイル張りの床は3段で構成されており、ゆるやかな階段を降りると隣の芝生に移動できます。タイルの上のソファはまったりとした時間を過ごすことができ、芝生の緑が自然を感じさせてくれるでしょう。
中庭の開口部に目隠しとして塀と植栽を配置することで、開放感とプライバシーの両立を実現しています。中庭に面する大開口の窓からは光が入るため、玄関や廊下、LDKが明るい空間になりました。
実例②帰ると家族の様子がすぐに見える家

CASE718 Enclose
コの字型の中庭の開口部は目隠しとしてフェンスを設置し、プライバシーをしっかりと確保できるように工夫しました。
外壁や床、階段の踏み板、軒天など、木のぬくもりが感じられるデザインを採用しています。中庭のウッドデッキやフェンスもデザインを合わせたことで統一感のあるおしゃれな庭になりました。
玄関の正面に配置された大開口の窓からは、帰宅したばかりの家族が、LDKで過ごす他の家族の様子を眺めることができます。
実例③どこにいても視線が抜ける家

CASE711 「遊」・「作」
玄関の正面には大きなFIX窓があり、視線がその先の中庭へ抜ける間取りになっています。広々とした中庭にリビングの床と同じ高さのウッドデッキを設置したことで、リビングと中庭がフラットにつながり、明るく開放感のある空間になりました。
ウッドデッキの一部に四角く切り取られた場所があり、そこにはデザイン性の高い樹木を植栽しています。夕方以降の時間は室内の照明と中庭に取り付けられた照明によって中庭が照らされ、夜でもゆっくり過ごすことができます。
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おしゃれなコの字型の中庭をつくろう!
コの字型の中庭は、出入りがしにくいロの字型の中庭や、プライバシーが守りにくいL字型の中庭のデメリットをカバーできる庭です。採光と通風を確保しやすく、プライバシーを確保しながら開放感を得ることができます。
ただし、動線の短縮や寒さ対策、排水対策などを工夫する必要があるため、専門家と相談しながら設計することが大切です。
フリーダムアーキテクツでは、コの字型の中庭を含む豊富なデザイン実績があります。土地探しから相談でき、ご家族の要望を丁寧にヒアリングしたうえで、おしゃれかつ個性のある間取りをご提案しています。おしゃれなコの字型の中庭をつくるなら、フリーダムアーキテクツにご相談ください。
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中庭に関するよくある質問

コの字型の中庭を検討している方からよく相談されるのは「固定資産税の対象になるか?」「中庭をコの字にすると後悔するか」という内容です。そこで、豊富なデザイン実績のあるフリーダムアーキテクツが、中庭に関するご質問に回答します。
コの字型の中庭は固定資産税の対象になりますか?
コの字型の中庭は固定資産税の対象から外れます。
固定資産税が課税されるのは、屋根と3方以上が壁に囲まれている床面積に含まれる建物です。コの字型の中庭は3方を壁に囲まれているものの、屋根がないため固定資産税の対象にはなりません。
ただし、中庭や中庭に取り付けたウッドデッキに屋根を設置すると、固定資産税の対象に含まれる可能性が高くなるので注意が必要です。詳しくはハウスメーカーや住む予定の市町村役場に確認しましょう。
コの字の家は後悔しますか?
コの字型の中庭で後悔する理由としては「建築コストが高かった」「生活・家事動線が不便だった」「メンテナンスが必要になった」などが挙げられます。
ロの字型やL字型の家にもデメリットがあるように、コの字型にもデメリットが当然存在します。メリットだけでなくデメリットとその対策を把握したうえで、コの字型の中庭を実現できるかを検討しましょう。
コの字型の中庭のデメリットの対策については「デメリットと対策」の項目をご覧ください。
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この記事を書いた人

フリーダムアーキテクツ
設計チーム
1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。










