
家を建てる際に特に重視したい部分に外壁があります。外壁にはこだわらないという人もいますが、それでは住み始めてから後悔するかもしれません。
どんな家かという印象を与えるのが外壁ですから、慎重に素材選びや色選びをしましょう。特に、外壁材の機能はそのまま家の機能にも直結しますから、その点でも素材選びはおろそかにできません。
ここでは主な壁材の種類と、失敗を防ぐ外壁選びのコツを解説します。ご紹介する壁材を実際に使用した建築実例もご紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
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目次
家の外壁選びの満足度データ
まずは、実際に家を建てたことのある人に、外壁選びは満足できる結果になったのかどうかを聞いてみました。
【質問】
自宅の外壁の素材や色には満足していますか?
【回答数】
満足している:132
不満がある:37
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 –
調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日
有効回答数:169サンプル

意外と高い外壁の満足度
今回のアンケートでは、外壁の素材や色に満足している人が約8割という結果になりました。
・我が家の外壁はタイルです。最近の外壁はどこも同じような感じなので、タイルにして良かったと思っています。コストはかかりましたが、家族みんなお気に入りで近所の人からの評判もとてもいいです。(30代/専業主婦・主夫/女性)
・自分の好みや、自分の家のことだけを考えるのではなく、町並みや、我が家の場合は緑地が近くにあったので、その自然と調和することを目指して考えました。それが正解だったと思います。(40代/パート・アルバイト/女性)
・外壁はサイディングの上に黄系のまだらで、左官屋さんに鏝跡がつくように波々に塗ってもらいました。下地にサイディングを使用することにより、表面のモルタルがひび割れても、雨漏りの心配がなく、外観をきれいに彩れました。(50代/会社員/男性)
満足していると答えた人のコメントを見ると、建てる段階で外壁の素材選びを真剣に考えていたことがよくわかります。周りとの調和を考えて結果的によかったという意見や、コストはかかったけれど外壁にこだわってよかったという意見が目立ちました。一方、不満があると答えた人のコメントは次の通りです。
・あまり選べなかったからなんとなくで決めたけど、やっぱりお金上がっても気に入った色とかにすればよかった(30代/専業主婦・主夫/女性)
・外壁をパープルにしたので、後から見ると少し奇抜です。(20代/会社員/男性)
・やや不満があります。デザインはいいのですが、色が問題です。新築の時はいいのですが、白い色なので、年数がたつと、汚れが目立って困っています。(40代/会社員/男性)
不満があると答えた人のコメントを見ると、コストをかけずに失敗したという声と、色選びに失敗したという声が目立ちます。特に色に関する不満が多く、自分の意見を押し通して後悔している人と、周りの意見に流されて後悔している人の両方がいました。
外壁はコストを削りすぎると理想の素材を使えなくなり不満が残るようです。また、外壁の色は先々のことをよく考えて選ぶことが大切だということがよくわかりました。では、それぞれの外壁素材の特徴を見ていきましょう。

主要外壁材の特徴と比較
外壁材として一般的に使用される素材には、タイル、サイディング、モルタルなどがあります。ここでは、よく使用される外壁材の種類ごとに、特徴や違いを紹介します。
タイル

使われていたタイルと異なり、外壁用のタイルは剥離やひび割れが少ないのが特徴です。
高温で焼き固めて作られているため、タイルそのものに耐久性や耐候性があります。目地の部分に付く汚れやカビを定期的に落とすようにすれば簡単なお手入れで長持ちします。
初期費用はサイディングなどよりもかかりますが、長い目で見るとコストパフォーマンスの良い外壁材と言えます。タイルというと洋のイメージが強い外壁材ですが、和モダンなタイプのタイルもあり、さまざまなタイプの家にマッチするようになっています。
詳しくは、「外壁候補にタイルは外せない?魅力や特徴まとめ」 をご参照ください。
サイディング

CASE 405 暖かみのある家
サイディングは材質もデザインも種類が多いため、どんな雰囲気も作り出せる点が魅力です。
工場で大量に作られた板状のサイディングを現場で外壁に並べていくため、職人の技術力にそれほど左右されることがありません。誰が施工しても一定以上の品質を期待できるというメリットがあります。色や柄も豊富なため、好きな色や柄を見つけやすい点も人気の理由です。
継ぎ目ができやすく、目地の部分がサイディング本体よりも劣化が早い点がデメリットですが、継ぎ目部分のメンテナンスに気を付ければ、長持ちする外壁材です。
詳しくは、「サイディングの外壁を検討しよう!デザインの種類や特徴」 をご参照ください。
ガルバリウム

CASE 178 | ツンデレハウス
都会的なイメージを醸し出すガルバリウムは、特殊なメッキを施した金属製の外壁材です。防水性と防食性に優れているため、すっきり水洗いもできます。ガルバリウムはパーツに分かれていても、並べたときに継ぎ目ができない点が魅力的です。スキマから浸入した水によって躯体が傷む心配もありません。
傷に強い塗装を施したガルバリウムを外壁に選べば、長期に渡って美しい状態を保つことができる点が魅力です。色もシルバーやブラックだけでなく、バリエーションがあります。デザイン性は高くありませんが、ピッチの違いで雰囲気を変えることは可能です。
詳しくは、「ガルバリウム鋼板の外壁はリーズナブル!特徴や価格、メリット、デメリットまとめ」 をご参照ください。
モルタル

CASE741 モルタライク
モルタルは仕上げの種類が豊富です。モルタルを塗った外壁の上に、どんな塗装を施すかによって、全く風合いの違う壁に仕上げられます。左官職人の手作業によって仕上げられるモルタルの外壁は、デザインの自由度が高く、和風洋風を問わずどんなデザインの家にもマッチします。
色の種類も多く温かみのある味わい深い風合いに仕上がる点が人気です。ひびが入りやすい点が欠点ですが、塗装を厚めに施すことで欠点を補うことができます。細かいひび程度であれば自分で補修できるのも魅力です。こまめにメンテナンスを行えば、長く美しい状態を保てる外壁素材です。
詳しくは、「モルタル外壁で味わいのある外壁に!モルタルの種類や特徴・補修方法」 をご参照ください。
塗り壁

CASE779 OWN SPACE
塗り壁というと和風な土塗り壁や漆喰壁を想像する人が多いようですが、ジョリパットのような洋風の塗り壁も家の新築によく使われています。
左官職人がコテやローラーを巧みに使って仕上げるため、表面に付けられる模様の種類が多く、他の外壁材にはない独特の風合いに仕上がる点が魅力です。自然素材を使った外壁のため、家を新築するときに懸念されるシックハウス症候群やアレルギーの対策として選ぶ人も少なくありません。
壁にひびが入りやすい、汚れが目立ちやすいというイメージを持っている人もいるようですが、塗料の改良により、耐久性の高い丈夫な塗り壁も増えています。
詳しくは、「家の外壁を塗り壁に!特徴やメリット・デメリット」 をご参照ください。
ALC
ALCは内部に無数の気泡を含んだ特殊な軽量コンクリート外壁材です。防火区域の壁にも使用されている耐火性、防火性の高い外壁材で、耐久性や防音性にも富んでいます。
工場で作られたALCを現場に運んできて貼り付けていく点はサイディングとよく似ていますが、厚みがあり、本体の耐久性もサイディングよりも上です。
継ぎ目が劣化しやすいため、その部分に注意してメンテナンスを行えば、長期間張り替えが要らない外壁材ですから、家の新築に多く採用されています。ただし、気泡が多いため、しっかり防水加工されている建材を使用することが重要です。
詳しくは、「家の外壁選びの参考に!ALCの特徴や歴史情報まとめ」をご参照ください。

おしゃれな外壁アイデア

おしゃれな外観に仕上げるためには、外壁の素材だけでなく色にもこだわることで印象を変えられます。また、植栽との組み合わせによっても、スタイリッシュに演出することが可能です。ここでは、参考にしたい外壁のアイデアを2つ紹介します。
壁面緑化でナチュラルな表情をプラス
外壁で植物を育てて、家の遮熱性を高める壁面緑化という方法もあります。夏場のエアコン使用を減らす効果だけでなく、冬場の乾燥を防ぐ効果もあります。壁面緑化をする場合、外壁で育てるのに向いている植物を選定し、こまめに手入れをすることが欠かせません。
家を美しい状態に保つためには、水やりだけでなく、定期的な剪定や害虫駆除も必要になるため、育てやすい植物を選ぶこと、年間の計画をきちんと立ててメンテナンスを行うことなどが大事です。
また、隣接する家とのトラブルを避けるために、落ち葉対策などをしっかりし、できるだけ普段からコミュニケーションを取っておくことも大切です。
詳しくは、「家の外壁をユニークに!植物の生えた壁にするのはあり?」 をご参照ください。
失敗しない外壁の色選び
最初のアンケートでもわかったように、外壁の色選びは素材選び以上に大事です。小さなサンプルだけで色を決めてしまうと、面積の大きな外壁になったときには全く違ったイメージになることもあります。できるだけ、実際の建物の外壁に使われているものを参考にしましょう。
また、自分の好きな色がそのまま家の外壁に合うとは限りません。周辺の環境に溶け込まない色を選んでしまうと、1軒だけ浮いてしまうことにもなります。あまり1軒だけ目立ってしまうと防犯上もよくないため、周辺との調和も考えた色選びをすることが大事です。
あまり原色に近い濃い色は薄汚れてくると古臭くなりますし、逆に薄すぎる色も汚れが目立ちます。家は長く住むものですから、外壁の色は塗りたての色ではなくある程度時間が経ってからの色を想定して選ぶようにしましょう。
詳しくは、「おしゃれな外壁の色選び!選び方のコツと注意点」 をご参照ください。

建築実例で見る外壁プランニング
ここからは、さまざまなタイプの外壁を取り入れた住宅の建築実例を紹介します。
異素材の壁が奏でる、重厚と開放が共存する家の外観

CASE709 sumika
立体を組み合わせたようなユニークな形状の住宅です。白を基調としたモダンな外壁は、清潔感と上品さが感じられます。また、建物の形状で自然と生まれる影や、植栽とのコントラストが引き立ち、ユニークな印象を与えています。
また、アプローチから玄関まで伸びるレッドシダーの壁がアクセントを加えている点もポイントです。
外は黒、内は白。印象を操るモノトーン外壁の家

CASE763 ソト黒ウチ白
緑に囲まれた立地で、黒の外壁が重厚感のある佇まいを演出しています。正面はシンプルながら、玄関側に回ると箱型をずらしたような形状で、立体感とプライバシー性を両立させています。
一方で、内部は真っ白な壁と木素材で統一されており、黒と白のコントラストと二面性が特徴的な仕上がりです。
漆喰の質感に包まれる、陰影が美しい住まい

CASE747 濃漆喰の家
黒い外壁材に白いペイントのような模様が施され、クールかつ個性的な印象を与えています。手前の駐車スペースはコンクリートのグレートーンで統一されており、建物が映える外観です。
内部には、高い左官技術を要する漆喰を採用し、温かみのある柔らかな空間を演出している点も特徴です。
景色を映し出す、鏡面サイディングの個性派ファサード

CASE646 鏡の家
ピアノブラックの鏡面サイディングが目を引く外観の住宅です。正面の外壁は、景色が映り込むほどの光沢があり、重厚感や洗練された印象を与えています。
また、開口が最小限に抑えられ、プライバシー性のあるデザインを実現している点も特徴です。1階のガレージと玄関ドアはグレー調で、上部の鏡面サイディングとの対比に個性が感じられます。
外装に個性を宿す、立体感のあるウロコデザインの平屋

CASE685 flat scale
ウロコのような外壁が特徴的な平屋の実例です。2つの建物で構成されており、道路側にはほとんど開口がないため、プライバシーを重視しつつ、スタイリッシュな外壁が目を引きます。
夜になると、細長いスリット窓から明かりがもれて、昼間とは違った表情が見られます。防犯性や採光などの機能面と、モダンなデザインとがバランス良く仕上げられた住宅です。

外壁は家の顔!じっくり時間をかけて選びましょう
外壁は家の顔になります。遠くからでも見える部分ですし、家の印象を左右する大事なものです。素材の特徴だけで選ぶのではなく、家の周辺環境、家に持たせたい機能や色、予算などによって最適な外壁を選ぶことが大切です。
まずは、どんな仕上がりの外観が自分好みかを見極めるためにも、ぜひフリーダムの建築実例をご参照ください。600件を超える実例を掲載し、すべてのお宅がご要望により多種多様なデザインで仕上がっておりますので、お好みの仕上がりを見つける上でお役立ていただけます。
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家の外壁に関するよくある質問

ここで、家の外壁に関するよくある質問とその回答を紹介します。
なぜ外壁塗装が必要なのですか?
外壁の塗料は、建物を外部ダメージから保護し、寿命を延ばす役割があります。また、雨漏りやシロアリの発生、構造腐食といった深刻なトラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。外壁の美観を維持することで、結果的に資産価値の向上にもつながるでしょう。
適切なタイミングで塗り替えを行わないと、外壁や内部構造にまで影響が及び、大規模な修繕が必要になる可能性があります。定期的にメンテナンスを行うことで、維持費用を最小限に抑えられるでしょう。
外壁の塗り替えに適したタイミングはいつですか?
一般的な外壁の塗り替えサイクルは、約10年が目安です。ただし、海風が強いエリアや高湿度の地域では、塗膜の劣化が早まる可能性があります。チョーキング現象やひび割れ、色あせ、目立つ汚れ、シーリングの割れなど、塗装の劣化サインを見逃さないことが大切です。
長期的な修理コストを抑えるためには、耐久性や耐候性に優れたシリコン系やフッ素系の塗料を選ぶのも1つの方法です。
外壁塗装の費用はどれくらいかかりますか?
外壁塗装の費用は、建物の大きさによって変わります。費用の目安は、以下の通りです。
・30坪:約60〜100万円
・40坪:約80〜130万円
・50坪:約100〜160万円
塗り替え作業に加え、仮設足場費用や塗料費、人件費、資材運搬費などの諸経費が発生します。また、塗料のグレードや建物の形状、依頼する時期などの条件によっても金額は変動するため、見積もりの内訳をよく確認しましょう。
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この記事を書いた人

フリーダムアーキテクツ
設計チーム
1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。