CASE671 実りの平屋
平屋の中でも、日本人に馴染みやすく、飽きのこないデザインとして人気の「和モダン」スタイル。自然素材を活かした落ち着きのある空間や、伝統と現代が融合した外観デザインに憧れる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、和モダンな平屋をつくる際に参考にしたい内装・外観のポイントと実例をご紹介します。理想の住まいづくりに、ぜひお役立てください。
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和モダンな平屋とは
和モダンな平屋は、日本の伝統的な美しさと現代の高い機能性を融合させた住宅です。直線が際立つシンプルで飽きのこない空間が特徴で、デザインに無駄がありません。
また、木材や珪藻土、漆喰などの天然素材を多く使用し、穏やかな雰囲気と素材の温もりが共存している点も魅力です。和の風合いを残しながら、現代的な快適さを兼ね備えた住まいとして、近年人気を集めています。
和モダンな平屋の内装のポイント
CASE686 桜並木の平屋
和モダンな平屋に仕上げるには、内装を検討する際にいくつか押さえておきたいポイントがあります。これから紹介するポイントを取り入れることで、上質で洗練された和モダン空間が完成するので、ぜひチェックしてみてください。
自然素材を用いる
和モダンな平屋の内装をつくる際には、自然素材を積極的に取り入れましょう。木材・珪藻土・和紙・陶器といった素材は、和モダンな雰囲気と相性が抜群です。例えば、床に無垢材を用いたり、リビングの壁を珪藻土塗りにしたりすることで、上質で落ち着いた空間を演出できます。
自然素材は温かみのある質感と洗練された見た目が特徴で、人工素材に比べて健康面でも安心です。さらに、素材自体が「呼吸」するため、室内の湿度を快適に保ち、住み心地の良さにもつながります。和モダンな平屋を目指すなら、ぜひ自然素材を活用してみてください。
開放的な大空間をつくる
和モダンな平屋の内装では、開放的な大空間を取り入れることで洗練されたスタイリッシュな印象を演出できます。特に、高さを活かした吹き抜けを設ければ、より一層の開放感が生まれるのでおすすめです。
部屋ごとに仕切られることが多い従来の和風住宅に対し、和モダンではあえて洋風の大空間を取り入れることで、伝統美と現代的なデザインが融合した住まいを実現します。
木の梁を見せる
平屋は上階がないため天井高を自在にデザインでき、吹き抜けを活用することで広々とした快適な空間がつくれます。和モダンな内装を目指すなら、木の梁を見せるデザインの吹き抜けを取り入れてみましょう。
特に、無垢材を使用した梁は和の温もりと存在感を兼ね備えた、目を引く美しいデザインに仕上がるのがメリットです。さらに、吹き抜けの上部に窓を設けると自然光が入りやすくなり、室内全体を明るく照らしてくれます。
格子のデザインを取り入れる
格子のデザインは、和の趣を洗練された形で取り入れるのに最適です。扉や目隠し、階段の手すりなどに採用すれば、視線を適度に遮りながらも、空間の一体感や広がりを演出できます。
さらに、自然光や照明によって美しい陰影が生まれ、室内に奥行きとアクセントを与えてくれるのもメリットです。和モダンな内装を目指すなら、見た目の美しさと実用性を兼ね備えた格子のデザインを取り入れてみましょう。
和モダンな階段の実例はこちらの記事で紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
和モダンのおしゃれな階段デザイン実例集
障子や畳を採用する
障子や畳といった和の素材は、和モダンな雰囲気を演出するうえで欠かせない要素です。和と洋を融合させることで、現代的なデザインとの調和が図りやすくなります。
近年では、い草に加えて和紙やプラスチック素材を使用した樹脂畳が登場しており、耐久性やメンテナンス性を考慮した選択肢が広がっています。また、小上がりのスペースにこれらの素材を取り入れ、開放感を保ちながら和の趣を楽しむのもおすすめです。
陰影のある空間にする
和モダンな内装を目指すなら、蛍光灯の均一な明るさではなく、柔らかな光による陰影を活かした空間づくりがおすすめです。例えば、地窓やハイサイドライト、トップライトを設置すると自然光が室内を幻想的に巡り、和モダンらしい雰囲気を演出できます。
また、和紙を使ったランプや間接照明を取り入れるのもおすすめです。こうした照明の工夫によって、落ち着きと美しさが調和した居心地の良い内装を実現できます。
坪庭の緑の景観を取り入れる
坪庭とは、周囲を壁や塀で囲んだ2~3坪ほどの小さな庭のことです。平屋で課題になりがちな採光や風通しを改善しながら、室内に心地良い緑の景観をもたらしてくれます。
砂利や木を使った景観は自然の温もりを感じさせ、癒しのある空間を作り出します。坪庭を窓から眺められる間取りにすれば、家全体がさらに和モダンな雰囲気に仕上がります。
和モダンな平屋の外観のポイント
CASE622 fit
和モダンな平屋を実現するには、内装だけでなく外観デザインにもこだわることが大切です。ここでは、和モダンな平屋の外観デザインにおけるポイントをいくつか紹介するので、ぜひ取り入れてみてください。
使う色を2色程度に絞る
平屋の外観を和モダンに仕上げるには、外壁のカラーを2色程度に絞るのがおすすめです。例えば、全体を白でまとめれば、シンプルながら洗練された印象になります。ツートンカラーを選ぶ場合は、黒やグレーなどのシックな色味を取り入れると外観がぐっと引き締まります。
特に、「呂色(ろいろ)」のような濡れたような深い黒や、「墨色」のような灰黒色など、ニュアンスのある黒を選ぶと、和モダンの平屋にマッチします。
木や石などの異素材を組み合わせる
和モダンな平屋の外観をおしゃれに仕上げるには、木や石といった異素材を組み合わせてみてください。
例えば、黒い外壁に木目を取り入れれば、現代的で洗練された印象になります。黒一色の外観は暗くなりがちですが、木目を加えることで自然の温かみや明るさをプラスできるのがメリットです。
こうした異素材の組み合わせは外観に深みを持たせる効果もあり、平屋の外観デザインをさらに引き上げてくれます。
直線的な外観にする
和モダンな平屋の外観には、主張を抑えた直線的なデザインが多く採用されています。無駄を省いたシンプルなフォルムは、洗練された和モダンの美しさを際立たせるポイントです。
屋根には切妻や寄棟といった伝統的な和風の形状が適しており、瓦などの素材を用いることで現代的な外観に和の趣を加えることができます。和モダンデザインの外観を目指すなら、こうした和風の素材と直線的なデザインを組み合わせてみましょう。
縁側を設置する
和モダンな平屋は、中庭や縁側を設けるとさらに魅力的な外観になります。中庭は日当たりや風通しを良くし、家全体に開放感を与えてくれるのがメリットです。一方、縁側は日本建築の伝統的な要素であり、取り入れるだけで自然に和の趣が加わります。
さらに、縁側をウッドデッキにアレンジすることで、モダンな雰囲気との調和を図ることができます。このように、中庭や縁側は和モダンな外観に欠かせないポイントとなるでしょう。
趣のあるアプローチをつくる
趣のあるアプローチは、和モダンな平屋の外観の魅力をさらに引き立ててくれます。例えば、玄関へと続く敷石の細いアプローチは、和の情緒を感じさせるデザインとして人気です。さらに、砂利を敷き詰めることでアプローチ全体が洗練され、上品な雰囲気を演出します。
また、重厚感のある石材やブラック、グレーといった落ち着いた色味を選ぶと、モダンな要素をプラスできます。玄関につながるアプローチは来客の第一印象を左右するポイントにもなるため、ぜひこだわってみてください。
和風の植栽を取り入れる
植栽にも和の雰囲気を感じられるものを選ぶと、外観がさらに洗練されます。例えば、紅葉など日本特有の樹木を取り入れると、季節の移ろいが感じられ、和の雰囲気を演出できます。
また、玄関前にシンボルツリーを植えるのもおすすめです。その足元に石を敷き詰めたりコケを生えさせたりすれば、上品で落ち着きのある和の雰囲気が際立ちます。このように植栽も活用しながら、自然と調和した美しい和モダンの外観を目指しましょう。
和モダンな平屋の建築実例
最後に、フリーダムアーキテクツが手掛けた和モダンな平屋の建築実例をご紹介します。ぜひ、理想の平屋づくりの参考にしてください。
縁側のある和モダンな平屋
CASE671 実りの平屋
開放的な縁側に、石などの自然素材を取り入れた内外装が特徴的な和モダンな雰囲気の平屋です。
CASE671 実りの平屋
LDKのとなりに和室を配置し、障子を開ければ広がりのある一体的な空間として活用できます。
CASE671 実りの平屋
LDKには石壁、キッチンにはルーバーの腰壁を採用し、和の趣と洋のスタイリッシュさが美しく調和する空間に仕上げました。また、LDKと縁側がフラットにつながるため、開放感も感じられます。
畳を自然に取り入れたくつろぎの空間
CASE683 丘の上のハウス
こちらの平屋では、LDKの一角に畳コーナーを設けました。梁見せ天井と丸い照明によって、和と洋を融合させたくつろぎの空間を演出しています。ダイニング・リビング・和室を一直線に配置しているので、LDKのどこからでも畳の存在を感じられるのもポイントです。
CASE683 丘の上のハウス
畳コーナーは玄関にも面していて、玄関の足元に設けられた障子からも和の雰囲気が感じられます。
格子を取り入れた外観のシンプルな平屋
CASE622 fit
木製のルーバーを取り入れた外観が特徴的な平屋です。夜にはルーバー越しに温かみのある室内の様子が感じられ、外観のアクセントになっています。
CASE622 fit
このルーバーはアプローチの目隠しにもなっていて、プライバシーを確保しながらおしゃれな雰囲気を演出しているのがポイントです。
梁見せ天井が特徴的なLDK
CASE680 寛か(くつろか)な平屋
こちらの平屋は、印象的な梁見せ天井が魅力的なデザインです。玄関ホールからLDKまで梁見せ天井が続いており、空間全体に統一感を持たせながら内装のアクセントになっています。
LDKの一角には小上がりの和室があり、引き戸を閉めれば個室としても利用可能です。
CASE680 寛か(くつろか)な平屋
また、玄関ホールの梁見せ天井には間接照明を取り入れ、昼間と夜で違った表情を楽しめる工夫が施されています。
庇のあるアプローチが和風な玄関
CASE649 光の通り道
こちらは、木目の庇を取り付けたアプローチが和モダンな雰囲気の平屋です。地面に設置した照明が庇に光を当てることで、木材の温かみがより際立ちます。
CASE649 光の通り道
玄関を入ると、正面には縁側へと視線が抜ける窓があり、右手には小上がりになった和室が広がります。
CASE649 光の通り道
LDKと和室はそれぞれ縁側とフラットにつなげ、庭と一体感のある心地よい空間に仕上げました。
ポイントを取り入れて和モダンな理想の平屋を建てよう
今回ご紹介した内装や外観のポイントを取り入れることで、和の伝統美とモダンな機能性が融合した、飽きのこない理想的な平屋を実現できます。本記事を参考に、ぜひ理想の家づくりに挑戦してみてください。
平屋住宅の建て方は以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。