インタビュー
駅の周りには活気のある商店が立ち並び、暮らしの利便性も高い周辺環境や都内の要所へアクセスの良さが魅力のエリア。 この街の駅から数分という好立地に賃貸併用住宅を建てられた桂子さんへ、家づくりのエピソードを伺ってきました。
「私はデザインを考えることが好きで、インテリアをコーディネートすることにも興味を持っていました。また、大学留学をきっかけに長く暮らしたカナダでの経験もあり、1からつくる家づくりをしたいとも思っていました。 カナダでは、地下(ベースメント)を学生に貸している賃貸併用住宅が多くあります。DIYも文化の中に深く根付いており、気候の良いシーズンは、ガーデニングやデッキづくりなどをよくしています。私も、学生時代と社会人になってからしばらくはベースメントに住み、週末は友人や大家さんの手伝いをしてDIYに親しんでいました。 その時の経験から、日本に帰国して数年が経ち、日本の街や暮らしに慣れてきたのをきっかけに、賃貸併用住宅での家づくりを始めることにしました。」
カナダでの豊かな暮らしの経験を、日本では逆の立場で叶えたいと賃貸併用住宅を希望しておられました。家づくりを決意された桂子さんは、理想を叶える土地探しから始められたそうです。
「土地探しで重視していたことは、容積率と立地です。賃貸併用では、借り手が付きやすい好立地が必要と考えたからです。しかし、都内で立地にこだわると狭小地が多くなります。 そこで、容積率が大きな土地で縦に大きな建物が建てられることを重視していました。この土地は、5から6件程見学をした中でも希望していた条件と合致していたため購入を決めました。」
桂子さんが選ばれたのは、商業地域に該当する土地。住宅を建てることが目的の用途地域とは異なり、オフィスビルや銀行、飲食店など様々な建物が建築され利便性が高く、将来的にも発展性が見込まれるエリアです。
「住宅会社選びは、カナダで木造4階建ての家を見たことがあったことや、木の温もりを感じられる空間にしたいと考えていたことから、木造で自由設計が出来るところをネットで検索をして気になった数社に相談をしていました。 フリーダムさんもその中のひとつです。プランの内容を見比べ、理想の間取りと提案頂いた内容が合致していたことが決め手になりました。叶えられることの自由度の高さも感じましたね。」
耐震性や防火性能の向上により、木造でも4階建てが可能になってきていますが、日本では、まだ馴染みの少ない造り。カナダなど諸外国では、木造高層化も進んでおり木造4階建ての住宅も日本より建築実例が多く、桂子さんも実際に目にしたことがあったことから希望されていたそうです。
「家づくりでテーマにしたことは、柔らかい色味の木と白色メインにしたモダンカントリーです。カナダの国旗にも描かれるメープルも使いたいと考えていました。レイアウトでは、LDKの真ん中にキッチンがあり、ダイニングをL字型にする形を叶えたいと思っていました。」
防火地域に建築された桂子さん邸。防火地域では、耐火木造という火災時に延焼しづらい仕様にすることが法律で決められています。 そのため、壁や床などが厚くなり重い印象の空間になりやすいのですが、床材にメープルを採用し、白を基調とした空間にされたことで、軽やかな印象の内部空間に仕上がっています。耐火木造ということで、素材選びに苦労されたことはあったのでしょうか?
「耐火木造だからと限定をすると、窓やエントランスドアの選べる種類が少なかったですね。ただ、それで悩むことや、苦労したということはなかったです。逆に、窓枠に幅があるので、花を飾るなど暮らし始めてから楽しんでいます。悩んだことと言えば素材選びですね。 内装の配色をどうまとめるか迷っていたので、様々なインテリアショップを回り、木と相性の良い質感や、白が主役になる色選びに時間をかけました。タイルはいくつもサンプルを取り寄せて、ユニークなテイストが垣間見えるものを選び、空間のアクセントに取り入れました。」
柔らかく軽やかな印象の空間に、華やかな彩りを添えるタイル。エントランスやキッチン、パウダールームと、空間ごとに異なるタイルを採用され、移動するごとに空間の表情が変わるのも魅力的です。その他のこだわりポイントも、伺ってみました。
「毎日使うものだからこそ、水回りには特にこだわりましたね。木を使ったスタイルに共感した会社さんで、キッチンと洗面はオーダーにしました。その会社さんの建具も素敵だったので、内部は統一して採用しています。お風呂は、リラックスできることと機能性にこだわりました。」
遠方に住むご両親やご兄弟も来訪されるたびに寛がれているというバスルームや、こだわりの詰まったキッチン、洗面室。ご希望されるライフスタイルをイメージしながら計画されたプランが、日々の快適な暮らしに繋がっています。 そして、家の内外に使いたい素材も決まり、工事用の見積もりを工務店に依頼。そこで、ある課題にぶつかりました。
「当時の計画では、耐火木造と木造4階建てに加えロフトも計画していました。 そのため、検討していた予算を超える金額になっていることが、見積をみて分かりました。”なぜ?“という想いもありましたが、当時は早く進めたい気持ちが強く、“どうすれば前に進めるか?”を考えました。 担当者さんと話し合いを重ね、初回プランで提案頂いていた3階建て+ロフトの計画に変更をしました。」
耐火木造を在来軸組工法で施工を請け負ってくれる工務店も少なく、請け負ってくれる工務店があっても耐火ではない木造住宅と比べると割高になります。 桂子さんが想い描く当初のイメージから方向転換をすることとなってしまいましたが、話し合いを重ねながら納得のいく解決方法を模索していました。 そんな工程もある中、ゴールに向けて一歩でも前に進めるように前向きに検討を重ねていきながら完成したお住まい。完成宅の暮らしはいかがでしょうか?
「暮らしやすく、快適に過ごせています。狭小地で縦長の住まいでは、暗いのかなとイメージしていたので、間取り決めの際に、天井を高くすることやナチュラルライトを沢山取り入れた抜け感のある空間も重視していたポイントでした。 住んでみて、思っていた以上の明るい空間が叶っていると感じています。ダイニング横のバルコニーは、ルーフバルコニー以上によく過ごしています。友人が来た時に食事や、朝のコーヒーを楽しめるのでとても気に入っています。」
高天井にされたリビングは上下に開口を設けられ、ダイニング脇にはバルコニーを備えられたことで、降り注ぐように自然光が差し込む明るいLDKに。また、バルコニーがあることで、視界に大きな抜けができ開放感のある空間に仕上げられています。 書斎や寝室などの居室も2面採光にされたことで、狭小地とは感じられない明るい空間に仕上がっています。最後に、賃貸併用住宅にされての感想を伺いました。
「賃貸併用住宅にして、とても良かったです。1階を賃貸スペースにしていますが、今の入居者さんはビジネスで利用されていることもあり、私が自宅に居る時間とリズムが違うのもありますが、気を遣わずに過ごせています。 賃貸収入があることで住宅ローンの負担も大幅に軽減されていることも助かっています。設計期間が楽しかったので、また家づくりをしたいなと思いますね。その時は、今回できなかった木造4階建てを叶えたいです。」
投資の面でも、大きなメリットを感じられたと理想を叶えた完成宅の感想を、晴れやかな笑顔でお話してくださった桂子さん。明るく華やかに彩られた住まいが、快適な暮らしと新たな理想の住まい像を創造していきます。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。