インタビュー
30年以上続いた転勤生活が終わりに近づいたことをきっかけに、家づくりを検討されたKさん。 転勤生活をされていた頃はマンションでの生活が中心だったそうですが、いよいよひとつの場所に腰を据えることになり、兼ねてより検討していた戸建て住宅での家づくりを決意されました。
「マンションはセキュリティー面やワンフロアの暮らしやすさなど生活がしやすい環境ではありましたが、娘家族が遊びに来た時に皆でゆっくりと過ごせるスペースが欲しいと感じていました。 そのため、多目的に使える部屋を設けられる戸建て住宅にしようと決めました。」
戸建て住宅での家づくりを決められた時は、関西にお住まいだったKさん。 最後の転勤が東京都内に決まっていたことから、遠隔地での土地探しを始められたそうです。
「2人いる娘家族と3世帯で同じ敷地内に住みたいと思っていたため、土地探しでは3件の家が建築できるだけの余裕のある敷地を条件として探していました。 また、孫が小学生ということもあり、エリアも限定していたので条件に合う土地を見つけるのは大変でした。 ネット検索や娘の協力もあり、7~8件の土地を見学していたのですが、そんな中で見つけたのが、区画売り出しでたまたま3区画に空きがあったこの土地でした。 家族の夢も叶えられることから購入の決断をしました。」
都内で条件にぴったり合う土地を探すのは、1区画購入の予定でもとても難しいのですが、Kさんの場合は3区画。 同居ではなく、それぞれが別所帯として独立しながらも近くに家をもてる、まさにKさんご家族の夢を叶えられる理想の土地でした。出会われたときは、偶然のご縁を感じられたそうです。
「総合展示場で何社かを見学する中で、注文住宅で自由な家づくりをしたいという想いが強くなり、建築家さんにも相談していました。 フリーダムさんのことは知人からの紹介で知り、デザイン性やコンセプトのフィーリングが合ったので、お願いすることに決めました。」
何社かご検討される中で、フリーダムのコンセプトに共感いただけたというKさん。 打ち合わせ当初はまだ関西に滞在されていたことから、関西エリアのフリーダムスタジオにて家づくりのお打ち合わせを重ねていきました。
「家づくりのテーマは、二人で住む家でありながら、娘家族を合わせた総勢10人がいつでも集まれるような開放感のある住まいにすること。 間取り決めでは、家族が集まるリビングは明るい空間にしたかったので、2階リビングと中庭にこだわりました。 また、キッチンから家族の様子が見渡せるように、対面キッチンにしたことも良かったです。」
住宅密集地など、1階に光を取込みづらい敷地環境で採用されることの多い2階リビング。Kさん邸では広い中庭から明るい光が取り込めるように、中庭に面する部分には大きな開口を設けました。
「LDKに隣接した和室は客間としても使えるように、小上がりにして別空間として独立した形にもなるように計画しました。 来客時には仏壇を仕舞えるようにしたかったため、造作の収納を設けました。また、吊り収納にすることで、床と収納の間に十分な余白をつくったこともこだわりのひとつです。」
和室や中庭を望める大開口などにより、空間以上の広がりを感じられるLDK。 ご家族全員で集まった時に、快適なひとときを過ごしたいという想いが形になり、明るく開放的な空間に仕上がっています。 また、和室を仕切る扉はすりガラスを採用し、扉を閉めても圧迫感が抑えられるような点にもこだわっていました。
「内外装決めでは、様々なショールームに行き、見て触れて決めていきました。 中でも、時間をかけて検討したのは、外観ですね。先に工事が始まった娘の家が黒の外壁でしたので、色味のある明るめの外壁にしたいと思っていました。 何度もサンプルを太陽光の下で時間帯を変えて見比べ、最終的に隣接地の外壁との色調バランスで現在の色に決めました。」
絶妙なニュアンスカラーが素敵なKさん邸。リボンをイメージし設けられた、窓周りのタイルが、チャーミングな表情をプラスしてくれています。
「内部は、フロアごとにコンセプトを変えて素材選びをしました。1階は、シックで重質感のある空間にしたいと思い、建具や床等を濃い茶系にしています。リビングのある2階は、明るさを重視しました。 こだわりポイントは、大柄な海水魚槽と絵画を空間のアクセントにし、中庭を見下ろせる南側の窓は防火基準を満たした網目のないガラス窓を採用しました。3階の書斎は、ショコラオークのドアをポイントに私の好きな空間にしました。 出窓やリビングに飾ってある貝は私が採ってきたものもあるんですよ。」
コンセプトに合わせて、素材の一つ一つを吟味されたというKさん。 1階の壁材に使用されたアレス漆喰は、脱臭・調湿効果だけでなく防虫効果もある機能性に優れた特殊漆喰塗装。汚れも拭き取るだけで簡単に落とすことが出来るそうです。 フローリングは、質の良さとコスト面に優れたイクタ社で揃えられました。
「老後の暮らしやすさを考えて、レストラン等に使われる荷物用のリフトを取り入れました。 我が家では「昇る君」と呼んでいます。食事など生活の中心が2階なので、食料品や廃棄物等の運搬に重宝しています。 階段をストレートにしたのも、階段の上り下りが困難になった際に、昇降椅子設備の設置が出来るようにと考えたからです。」
天気の良い日に中庭で食事をする際の食事運搬や、持ち運ぶのが大変な飲料品など、日々の生活の中で大活躍しているというリフト「昇る君」。 その他にも、今後の生活のことも考えて、柔軟に設備を切り替えられるように工夫を凝らしていたそうです。
「全室の床は極力バリアフリーにすることも気を配りましたが、ダイニングとリビングには、一段の段差を設けました。 スポーツ観戦が好きで、娘家族が集まった時などもみんなで一緒にテレビを見ることが多く、ダイニングに座っている人もソファーに座っている人の頭が邪魔と感じずに楽しめるようにしたかったからです。」
バリアフリーの造りで仕上げる場合は極力段差をなくすことが一般的ですが、それ以上に訪れる人達との時間の快適性を重視し、あえてダイニングとリビングの間に段差を設けたようです。 段差の框は、フローリングよりも濃い色にされ、目視で段差があることを認識しやすくする工夫もされています。
老後の住みやすさや、今の暮らしを快適にする工夫を随所に設けられているKさん。 家づくりで、悩まれたポイントを伺いました。
「耐震性と通気性は、気になっていたポイントですね。マンションだと造りを信用するしかない部分ですが、戸建ての場合は違いますよね。 プラン検討時から“大きな水槽を置いても大丈夫なのか”など何度も確認をし、その度に構造の説明をしっかりしていただけたので、不安が払しょくできました。 そのおかげで、自由にやりたいことを伝えることが出来たのは良かったです。」
建物のデザインや間取りを自由に描ける注文住宅ですが、まずは暮らしの安全性という土台がしっかりしていることが大前提。気になる事は都度、設計者に確認し解消していくことで、安心してプランをご検討いただけたご様子でした。 そんなKさん夫人に、特に気に入っている空間について伺いました。
「私のお気に入りは、キッチンと庭です。キッチンから空間全体を見渡すことができ、会話もしやすいです。 キッチン内も十分な広さが確保できていて、娘が来た時には一緒に料理もできるほどです。 食器類は全て引き出しに収納するスタイルなので地震が来た際も安心です。庭は、落葉樹と常緑樹の配置バランスを考えた中庭と将来は娘夫妻の建設地になる菜園、花壇の3つに分かれています。 菜園では、毎日のように野菜を収穫して楽しんでいます。」
キッチン内の広さは意外と重要なポイント。 冷蔵庫の中のものを取り出す時など、大人2人が同じタイミングにキッチン内にいることは意外と頻繁にありませんか? そんな時も、十分な広さを確保することでスムーズに交差でき、ストレスを感じない動線になります。
「完成した住まいでは、とても快適に過ごしています。 多くの方が家づくりをされるのは、お子様が小さいうちだと思うのですが、私たちの場合は夫婦二人の暮らしになってから。 その分、無駄を作らずやりたいことを叶えられたのかなと感じています。」
ご家族の夢を叶える理想の土地との出会いで、本格的に始まった家づくり。 今の暮らしを豊かにしてくれる工夫や、随所に設けた将来の安心が日々の暮らしを包み、お二人の笑顔へ繋がっています。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。