
CASE420 光庭の家
平屋にテラスを設けると、屋外を有効に使うことができるうえに開放感が生まれます。自然を眺めながらお茶を楽しんだり、家族や友人とバーベキューを楽しんだりと、より豊かな暮らしを送ることができます。
本記事では、平屋と相性の良いテラスの種類や魅力、設置時の注意点や費用相場などについて詳しく解説します。テラスを設置した平屋の建築実例も紹介しているので、テラスに魅力を感じている方はぜひチェックしてみてください。
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目次
平屋にテラスは設けるべき?
平屋にテラスを設けると屋外空間をより気軽に活用でき、暮らしの幅が広がるのでおすすめです。 もともと平屋は地面が近く自然を身近に感じやすい住まいですが、テラスを取り入れることでその魅力をさらに引き出せます。
そもそも平屋とは1階建ての住宅のことで、日本では昔から親しまれてきました。「階段がなくバリアフリー化しやすい」「2階建て住宅と比べて間取りの自由度が高い」「自然を感じながら暮らせる」といったメリットがあり、近年ではおしゃれで開放的なデザインの平屋が人気を集めています。
一方、テラスとは建物から庭に向かって伸びる屋外スペースのことで、地面より一段高くなっているのが特徴です。リビングやダイニングとつなげて使われるケースが多く、屋外へ直接出られるため、一戸建てやマンションの1階部分に多く採用されています。
テラスは趣味を楽しむ場やくつろぎのスペースとしても活用でき、自然と調和した豊かな暮らしを実現するのにぴったりです。
平屋に設けられるテラスの種類
平屋にテラスを設ける場合、次のような選択肢があります。
・テラス
・インナーテラス
・屋上テラス
・ウッドデッキ
・テラス囲い
それぞれの特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
テラス

CASE671 実りの平屋
テラスとは、1階部分から外側に床を伸ばして作るスペースのことです。室内との空間のつながりを意識して、床面の高さを室内と同じくらいに揃えて設置します。一般的にLDKからつながるように設置するケースが多く、昔の縁側のようなイメージです。
テラスとLDKをつなげることで窓から簡単に出入りでき、セカンドリビングなどに活用できます。また、室内空間が限られやすい平屋において、LDKにつながるテラスがあることで、空間に開放感と広がりをもたせられます。
また、軒下に収まるコンパクトなスペースにするケースもあれば、中庭へと広がる開放的なテラスを作るケースもあります。
必要に応じて屋根を設置することもでき、雨の日でも快適にテラスを使いたい場合におすすめです。
インナーテラス

CASE767 ウチソトのドマ
インナーテラスとは、室内もしくは室内に近い環境に作る屋内・半屋内のテラスのことです。壁や窓、天井を設けるため、まるでひとつの部屋のように過ごすことができます。日差しや雨風も気にならず、安心して外の景色を楽しめるでしょう。
インナーテラスの魅力は、天候を気にすることなく、室内にいながら屋外の楽しみ方ができる点です。インナーテラスも、個室までは設置できない場合に半個室のように使えるため、平屋との相性が良く、生活の幅を広げる間取りのひとつとしておすすめです。
屋上テラス

CASE199 テラスを望む家
フラットな陸屋根を選ぶと、平屋でも屋上スペースを確保できます。近年の防水技術の進化により、木造住宅でも陸屋根を採用するケースが増えてきました。そのため、平屋でも安心して屋上テラスを作ることができます。
平屋の屋上テラスは、洗濯物を干すスペースとしてはもちろん、子どもやペットの遊び場としても便利です。また、バーベキューなどのアウトドアを楽しむこともでき、屋外空間の活用が広がるでしょう。
敷地面積にあまり余裕がない場合でも、屋上を活用すれば居住空間を削ることなく広いテラスを確保できます。
ウッドデッキ
ウッドデッキとは木材や合成木材を使用したテラスのことで、ナチュラルな雰囲気と温かみが魅力です。一方、テラスにはタイル、レンガ、石、コンクリートなど木材以外の素材が使われることも多く、デザインや機能性に違いがあります。
ウッドデッキとテラスは同じ意味で使われることもありますが、明確に区別されるケースもあります。この場合、ウッドデッキはリビングの床と高さを揃えて設置されるのに対し、テラスは庭の一部として扱われ、室内との間にやや高低差があるのが特徴です。
そのため、ウッドデッキはリビングの延長としての役割が強く、テラスは庭との一体感を重視した造りになりやすい傾向があります。
テラス囲い
テラス囲いとは、屋根やガラス窓、ドアなどを取り付けて雨風を防ぐ構造のテラスのことです。サンルームに似ていますが、より簡易的な造りで施工費用を抑えられるのが特徴です。ただし、水密性や気密性はサンルームよりも低くなるため、用途に応じて採用を検討する必要があります。
テラス囲いは、洗濯物を干すスペースや子どもの遊び場として活用できるほか、天候を気にせず屋外空間を楽しめる点が魅力です。テラスの用途によっては、テラス囲いを設けることで、より快適で実用的な空間を実現できるでしょう。

平屋にテラスがある魅力
平屋に設置するテラスには、次のような魅力があります。
・空間に開放感が生まれる
・アウトドアリビングとして利用できる
・自然のそばで生活できる
・外観のアクセントになる
それぞれの魅力について以下で詳しく紹介するので、テラスを設けるかどうかの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
空間に開放感が生まれる
平屋にテラスがある魅力のひとつとして、空間に開放感が生まれるという点が挙げられます。室内からつながるようにテラスを設置することで、実際の面積よりも空間全体が広く見えるでしょう。特に、インナーテラスの場合は室内とのつながりをより感じられます。
テラスは、「ゲストをもてなす場所」「趣味スペース」「家庭菜園」など、ライフスタイルに合わせてさまざまな使い方ができるのも大きな魅力です。また、平屋では採光と風通しを確保することが重要ですが、テラスがあることで室内に光が差し込みやすくなり、風通しも良くなります。
明るく風が抜ける開放的な空間は、家族がリラックスできる特別な場所になりますよ。
アウトドアリビングとして利用できる
平屋にテラスを設置することで、屋外の空間をアウトドアリビングとして活用できるのも大きな魅力です。アウトドアリビングとは、室内とつながる屋外のリビングスペースで、室内リビングの延長として使えるセカンドリビングのような存在です。
アウトドアリビングでは自宅グランピングやバーベキューなど、さまざまな楽しみ方ができます。普段からテーブルセットやソファ、ハンモックなどを置いておけば、家族の憩いの場にもなりますよ。
自然のそばで生活できる
平屋にテラスを設置すると、外の空間や庭とのつながりをより強く感じられます。どの部屋からも外の自然を感じられることは平屋のメリットの一つですが、テラスがあることでより庭の植栽や外の自然を楽しみながら生活できます。
自然が好きな方は、テラスの周囲にお気に入りの花や木を植えたり、庭全体を見渡せるようにテラスを設置したりするとよいでしょう。このような工夫で、家の中にいながら四季折々の自然を満喫することができます。
外観のアクセントになる
平屋のテラスには、外観のアクセントになるというメリットもあります。おしゃれなデザインの平屋に仕上げたい場合、テラスの素材や色合いを工夫してコーディネートすることで、外観全体の印象を大きく変えられます。
例えば、床にコンクリートを使ってモノトーンで統一すれば、モダンで洗練された印象に。また、木材の床に間接照明などのインテリアを添えることで、温かみのある北欧風のテラスになります。

平屋にテラスをつける費用相場
平屋にテラスをつける費用相場は、選ぶ設備やデザインによって大きく異なります。
床部分のみの設置なら10〜30万円程度、床に屋根をつける場合は15〜25万円程度、さらに囲いを設ける場合は30〜50万円程度が費用の相場です。
ただし、テラスの広さや使用する素材、デザイン、機能性などによっても費用は変動するため、事前にテラスの用途や希望する仕様を明確にしておきましょう。

テラスのある平屋の建築実例
ここでは、フリーダムアーキテクツが手掛けたテラスのある平屋の建築実例を3つご紹介します。テラスの種類やデザインにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
開放的な平屋のコートハウス

CASE719 Flat foam
こちらは、LDKからつながるウッドデッキの中庭を設置した実例です。LDKとウッドデッキがフラットにつながっているため、図面以上に広がりのある空間が生まれています。
ウッドデッキには照明を設けており、プライバシー性の高いアウトドアリビングとして活用できます。LDKのインテリアにも木を多用しているので、ウッドデッキとの統一感がある、おしゃれなリラックススペースが完成しています。
暮らしに緑の彩りを添えるテラス

CASE686 桜並木の平屋
モルタルの土間空間から窓越しに中庭とテラスへ視線が抜けるようになっていて、開放感が感じられる実例です。LDKの大開口の窓から常に植栽の緑が目に入るため、日常的に自然を楽しみたい方におすすめの間取りです。
芝生の庭を楽しむ開放的なテラス

CASE750 WHITE GATE
庭に対して大きく開けた平屋住宅です。芝生の庭に面する部分には最大限の開口部を設け、LDKから広い庭が見渡せるようになっています。
庭を楽しむためのテーブルや椅子を置き、外の空間も存分に楽しめるようにしました。空間の広がりを感じられる、おしゃれなリラックススペースとなっています。

平屋にテラスを作る際の注意点
平屋にテラスを作る際には、次のようなポイントに注意してください。
・プライバシーを確保する
・使用目的をイメージしておく
・メンテナンスについても考えておく
実際に建築してから後悔することのないよう、テラスを設置する際の注意点についてもしっかり確認しておきましょう。
プライバシーを確保する

CASE686 桜並木の平屋
平屋にテラスを作る際には、プライバシーを確保できる設計になっているか確認しましょう。特に、隣の家との距離が近い場合や、テラスが大通りに面している場合は、外からの視線が気になることがあります。
このようなケースでは、テラスや家の中の様子が外から見えないよう工夫が必要です。フェンスや目隠しを設置するなど、外からの視線を遮る設備を取り入れるとよいでしょう。
使用目的をイメージしておく
平屋にテラスを作る際は、使用目的を明確にイメージしておくことが大切です。例えば、家族とのんびり過ごすリラックススペースにするのか、洗濯物を干す場所にするのかなど、使用目的によってテラスの適切な種類やサイズ、設置場所などが変わってきます。
目的がはっきりしないままテラスを設置すると、建築後に使いづらさを感じる可能性があります。使う頻度が低いとメンテナンスの手間や費用だけがかかることになるため、注意してください。
メンテナンスについても考えておく
屋外に設置するテラスは、雨風にさらされるため、退色や劣化が起こりやすくなります。そのため、メンテナンスについても考えておきましょう。
メンテナンスの手間を軽減するには、素材選びがポイントです。天然木は汚れや腐食のリスクが高いため、樹脂製の人工木など、お手入れが簡単な素材を選びましょう。また、タイル素材は汚れに強いものの、ひび割れや剥がれが生じた場合は補修が必要です。

テラスのある平屋で豊かな暮らしを満喫
平屋のテラスはアウトドアリビングとして活用でき、設置すると日常生活がより豊かになります。テラスは家族との憩いの場や趣味を楽しむスペースなど、多彩な用途に使えるため、ライフスタイルや間取りに合わせて最適なテラスを選んでください。
平屋住宅の建て方は以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
関連記事:注文住宅の「平屋住宅」特集
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テラス付きの平屋についてよくある質問
最後に、テラスのある平屋に関するよくある質問に対し、フリーダムアーキテクツが詳しく回答します。 テラスの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
平屋にテラスはあったほうがいいですか?
平屋にテラスを設けると室内から直接外へ出られるため、平屋の魅力である「自然との一体感」をより深く味わえるのがメリットです。
また、大きな窓とテラスを組み合わせることで、平屋のデメリットとされる採光や風通しの問題も解消しやすくなります。 さらに、リビングとテラスの床の高さを揃えると空間に広がりが生まれ、部屋を実際よりも広く見せる効果もあります。
特に、敷地面積や間取りの関係でリビングの広さを十分に確保できない場合、テラスを設けることで圧迫感を軽減し、よりゆとりのある空間を演出できるのが大きな魅力です。
テラス付きの平屋はいくらくらいですか?
平屋は2階建てに比べて建築費が割高になりやすく、坪単価は約40万〜60万円が一般的です。総額は延床面積や仕様によって大きく変わりますが、30坪の平屋なら1,200万〜1,800万円程度が目安となります。
テラスの施工費に関しては、 床のみの場合は10万〜30万円、屋根をつけると15万〜25万円、さらにテラス囲いを設ける場合は30万〜50万円程度が相場です。選ぶ素材やデザインによっても費用が変動するため、希望するテラスのスタイルに合わせて予算を検討しましょう。
テラス付きの平屋には何坪必要ですか?
国土交通省が定める住生活基本計画によると、豊かな生活を叶えられる住面積(誘導居住面積水準)は以下のように定められています。
一般型誘導居住面積水準
・単身者55㎡
・2人以上の世帯25㎡×世帯人数+25㎡
都市居住型誘導居住面積水準
・単身者40㎡
・2人以上の世帯20㎡×世帯人数+15㎡
これに沿って考えると、3人家族なら23~30坪程度、4人家族なら29〜38坪ほどあれば、テラス付きの平屋を設計できるでしょう。
ただし、最適な広さは家族構成やライフスタイルによって異なります。 子どもの人数や年齢、性別によって必要な部屋数が変わるほか、趣味のスペースや書斎、収納の確保も考慮しなければなりません。 また、テラスをリビングの延長として広々と使うのか、コンパクトな空間として取り入れるのかによっても、必要な坪数は変わってきます。
まずは、家族がどのような暮らしをしたいのかを明確にし、間取りとともに最適な広さを検討してみてください。
平屋にテラスをつけるデメリットは何ですか?
平屋にテラスをつける代表的なデメリットは、建築費やメンテナンス費がかかることです。
テラス自体はそこまで高額な設備ではありませんが、設置には一定のコストがかかるため、テラスのない住宅と比べると建築費が増える点に注意してください。さらに、雨風や日光にさらされるため、定期的なメンテナンスも必要になります。
例えば、ウッドデッキのような木製のテラスは、水洗いや再塗装などのケアが欠かせません。 テラスの寿命は木造で約8年、金属製で約15年とされており、劣化が見られる場合はリフォームが必要になることもあります。
加えて、プライバシーの確保にも気を配りましょう。開放的なテラスは人通りが多い環境では視線が気になる可能性があるため、目隠し用のフェンスや植栽を取り入れるなどの対策が求められます。
平屋のテラスに屋根は必要ですか?
テラスをより快適に活用するなら、屋根をつけるのがおすすめです。
屋根があれば雨や風、強い日差しを防げるため、用途の幅が広がります。 例えば、洗濯物を干すスペースとして使う場合、急な雨から衣類を守れるので安心です。 また、セカンドリビングとして活用する場合、日差しを遮ることで快適な空間を維持できます。
特に夏場は直射日光や紫外線の影響が気になるものですが、屋根があれば適度な日陰を作れるため、暑い時期でも快適に過ごせるのが大きなメリットです。
テラスやウッドデッキをつけると固定資産税は上がりますか?
テラスやウッドデッキを設置すると固定資産税が上がるかどうかは、その形状によって異なります。
屋根や壁のないウッドデッキは基本的に固定資産税の対象外ですが、屋根や周囲を囲む壁がある場合は「家屋」とみなされ、課税対象になる可能性が高いため注意が必要です。
また、テラス囲いについては固定資産税の課税基準が統一されておらず、各自治体の判断に委ねられています。 同じような構造のテラス囲いでも、自治体によって課税される場合とされない場合があるため、注意してください。
固定資産税がかかるかどうかを事前に確認したい場合は、カタログなどの資料を持参のうえ、自治体の窓口で相談することをおすすめします。
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この記事を書いた人

フリーダムアーキテクツ
設計チーム
1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。