インタビュー
都心の閑静な住宅街に佇む、上品ながら確かな存在感のある住まい。 深みのあるカーキ色の外壁が印象的な住まいに仕上げられたNさんに家づくりのエピソードを伺がってきました。
「家づくりのきっかけは、子供が小学校に入学する前に定住する住まいを持ちたいと思ったことです。 余裕を持った家づくりをしたいとも考えていたので、入居希望の2年ほど前から家づくりを始めました。」
注文住宅で検討から完成まで目安とされる1年より早くから始められたNさん。
「土地探しで重視したことは、陽当たりのよい南道路に接道していること、広さ、形、駅距離です。 エリアは、私の実家に近い場所にするか、職場と実家の間にするかで迷っていましたので、10件ほどの土地を見学しました。 この土地は、実家からも近く条件を満たしていたことが決め手でした。」
「相続などで出た比較的広い土地は、分割されていることが多く、イメージしている広さの土地を見つけるのが難しかった。」と、都心部ならではの土地探しの難しさも感じておられたNさん。 イメージ通りの土地に出会われ、この土地での家づくりを決められました。
「住宅会社探しは、住宅展示場の見学や、ネットで住宅会社の資料請求を多くしました。フリーダムさんもネットで見つけたことがきっかけです。 その中で、数社にプランを描いてもらい見比べていく中で、他社では断られる要望も叶えられる自由度の高さに惹かれフリーダムさんに決めました。」
バルコニーとリビングの床高さを合わせ、段差のないフラットな空間を希望されていましたが、空間づくりに一定の規定がある住宅会社では難しい内容。 その点、自由度の高い空間づくりが叶えられる設計事務所ならではの強みに魅力を感じたそうです。
「家づくりでテーマにしたことは、LDKの造りです。子供たちのことを考えた時、家の中を走って遊べるように、広いLDKは作りたいと思っていました。子供たちが遊びやすい動線も意識していましたね。 あとは、家族がそれぞれの部屋に籠ってしまうような暮らしではなくて、家族との時間を多く取れるように、居心地の良いリビングにしたいという想いもありました。」
ご家族と過ごす時間や子供たちがのびのびと遊べる空間造りを何よりも大切にしたいという想いから計画されたリビングは、広々とした素敵な空間に仕上がっていました。 ここで打ち合わせ中に作成した図面を取り出したところ、思わずNさんから笑顔がこぼれました。
「実は、プランは何度も変更いただいて、かなり時間がかかりました。ただ、色々と修正をお願いした中でも嫌な顔をせず対応してくれたのは嬉しかったですね。」
Nさんの検討されたプラン数は、10パターンを超えています。 プランの変化を見せていただく中で、特に気になったのが子供部屋。当初は1階に配置を検討されていましたが、完成宅のプランでは2階に配置されています。どのような経緯で配置を決定されたのかを伺いました。
「最初は子供部屋を1階に配置しようと思っていたんです。私は男なので、子供も良い年頃になったら親の顔を見ずに部屋に行けた方が良いのかなと思っていたので。 ただ、親としては子供が何をしているのかを把握できる方が良いと思い、リビングを介して子供部屋に繋がるプランになるように、2階に配置することを決めました。」
子供の勉強を見ることになるだろうと、キッチンの近くにスタディコーナーを設けるなど、お子様とのコミュニケーションを軸にプランを検討されているご様子が伺えました。
「以前住んでいた家では、キッチンから子供の様子が見えなかったので、喧嘩していても状況がうまく把握できませんでした。 それが、今の間取りになってキッチンから見渡せるようになったので、その点は助かっていますね。」
キッチンからご家族の様子を伺える造りは、多くの方からご相談いただくご要望のひとつ。実際にそのプランで設計され、安心の暮らしを叶えられたと、奥様もご満足いただけているご様子でした。家づくりで絶対に叶えたかったご要望についてお伺いすると、ご夫婦の暮らしに関するお話もいただけました。
「二人ともこれといった趣味はないのですが、私はお酒を飲むことがあるので、夏などのシーズン時にはバルコニーでゆっくりと楽しめると良いなという想いはありました。」
ご家族がお出かけになっている時などは、一人の時間を楽しめる空間が欲しかったと語ってくれたのはご主人様。
「私はキッチンなどの家事動線は快適にしたいと思っていました。あとは、意外と助かっているのが、リビングの裏にある家事室ですね。来客時などは物を仕舞っておけるのと、リビングからは見えない位置にあるので、生活感が出なくて良いですね。 収納ではネットで検索すると、すごく熱心に調べられた他のママさんの記録などがあったので、それも参考にさせていただきました。特に意識したのは高さと奥行きですね。 前の家だとA4やA3サイズの本などがあった時は、収納棚にうまく納められなかったこともありました。そのため、A4サイズのものは少なくとも綺麗に納めたかったので、そのサイズに合うように収納を計画していきました。」
生活の利便性についてお話をいただけたのは奥様。実際に暮らしてみて便利さを実感できていると語ってくれました。
使用する素材にもこだわられたというNさん。その点についても詳しくお伺いました。
「マットな素材感が好きだったので、フローリングやTVボードなど、マットな素材で統一しました。あとは玄関の壁やテレビ裏の壁は、千陶彩(セントウサイ)を採用しました。」
使用する素材により統一感が生まれ、家全体がまとまった空間になっていることが見て取れます。 反面、LDK空間内で使い分けているすりガラスと透明ガラスは設計者の提案ではありましたが、あえて素材を分けることで抜け感とプライバシーが程よく両立されて良かったと語ってくれました。
「外壁の色も試行錯誤しました。自分でもパソコンのペイント機能で建物の形を描いて、そこに色を塗ったりしながら検討していました。実は、今のカーキ色は私の想定の中ではなかった色で、もともとは白などのオーソドックスなもので考えていたんです。 ただ、せっかくならオリジナリティを出したいなという想いもあったので、設計者さんからの提案を受けて今の色に決めました。 最初にカーキ色を提案された時はかなりチャレンジングな感じがして少し抵抗はあったのですが、実際に完成した外観を見るとシックな仕上がりが意外と良くて、とても気に入っています。」
ツートンカラーや、スタンダードな色味も検討されたそうですが、ワントーンで塗り上げることで出てくる迫力と他にはないオリジナリティを求め、深みのあるカーキ色を採用されたそうです。 長い時間をかけ検討を重ねてこられた家づくり。工事中もより快適な住まいづくりのため、検討を重ねられたそうです。
「妻の実家が近いこともあり、工事中も度々見学に来ていました。実際に家が出来ていく様子を見ていると、インスピレーションが湧いてきていくつか変更をお願いしました。 その中でも大きな変更点は、キッチンの天井とダイニングの照明です。格子状を一部に採用することで緩やかにエリア分けがされた空間にできました。」
Nさん邸では、LDKに仕切りは設けずL字型で空間を連続して繋げた形で配置されています。しかし、天井の高さや、素材に変化を付けることで、空間が緩やかに区切られ居心地の良さを高めています。 実は、L字型の空間設計には生活のしやすさという点でのこだわりもありました。
「例えば、お客さんが来られた時など、夕飯時に差し当たってしまった場合は、お客さんからなるべく見えないところで仕度ができると便利だと思って、リビングとキッチンを直角に配置することで視点を分けています。」
お子様の暮らしやお客さんを招いた時など、様々な生活シーンをイメージしながら、自分たちが想い描く快適な住まいを叶えたNさん。 試行錯誤を重ねて完成した住まいに大変ご満足いただけていると語っていただけました。最後に、これから家づくりをご検討されている方へ、参考にしていただけるアドバイスについて伺いました。
「都心部で家づくりをする場合、庭が設けられないことが多いと思います。そのような場合は、バルコニーや屋上を設けて、緑化するのをお勧めします。 我が家は、バルコニーを広く取り、ガーデニングやハンモックでくつろいでいます。夏には、子供たちと水遊びをして涼を得るなど、私の至福の時間ですね。」
家族での理想の過ごし方を、ゆっくりと時間をかけることで、熟成された住まいを実現したNさん。お子様の笑い声が絶えない空間で、のびやかな暮らしが育まれています。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。